ART
NY伝説の写真家、ソール・ライターの回顧展がついに開催!
| Art | casabrutus.com | text_Mariko Uramoto editor_Akio Mitomi
83歳にして世界中の注目を浴びながら、名声と距離を置き続けた写真家ソール・ライターの回顧展が〈Bunkamura ザ・ミュージアム〉で開かれる。日本初開催だ。
活動拠点はNY。1950年代からファッションフォトの第一線で活躍したソール・ライターは、一部の間でしか知られなかった存在だ。しかも1981年に自身のスタジオを閉鎖して以降、その存在は徐々に忘れ去られてしまう。もともと画家を目指していたという彼は絵を描き、カメラを持って散歩へ出かけ、愛猫の世話をするだけの“隱遁生活”に入っていた。
その生活が一変したのは1994年頃。写真感材メーカーのイルフォード社が、未現像のまま保管していたフィルムの現像協力者として名乗りを上げたからだ。カラープリントになって現れた作品には、1940年代後半から1950年代のNYの日常が鮮やかに切り取られていた。
この作品をきっかけにドイツの出版社シュタイデルが写真集『Early Color』を刊行。世界中からオファーが殺到するようになった。この時、ライターは83歳。その後、ミルウォーキー美術館やパリのアンリ・カルティエ=ブレッソン財団など名だたる美術館やギャラリーで写真展を開催し、脚光を浴びる。ただ、どれほど有名になっても、彼はそれまでの暮らしを変えず静かに人生の幕を閉じている。
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