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〈ポーラ美術館〉初のゴッホにまつわる展覧会は、炎の画家が与え続けるインパクトがテーマ。

| Art, Design | casabrutus.com | text_Toshie Oowa

箱根のポーラ美術館で5月末から始まる『ゴッホ・インパクトー生成する情熱』は、ゴッホという稀代の画家が放った影響をテーマにしたユニークな展覧会だ。

フィンセント・ファン・ゴッホ《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》1888年  ポーラ美術館
フィンセント・ファン・ゴッホ《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》1888年 ポーラ美術館
日本で最初にゴッホ・ブームが巻き起こったのは1910年代のこと。

柳宗悦、武者小路実篤ら「白樺派」と周辺の文化人が熱心に取り上げたことで、墓のあるオーヴェールなどを訪ねる“聖地巡礼”に出たり(山本鼎ら)、「わだばゴッホになる!」と叫んだり(棟方志功)、精神分析を試みる(式場隆三郎)など、さまざまな角度からゴッホを評価し、受容し、血肉とする人たちが現れ、ブームとなった。

それを“ゴッホ・インパクト1.0”とすると、バブル期の“ひまわり騒動”など、日本人はその後もゴッホの影響をガッツリ受けてきた国なのかも。そんなゴッホ・インパクトの受容史を、同展で順に追ってみたい。

まずは生前。“炎の人”と評されるほどの情熱家であったゴッホ自身が、ゴーギャンら周辺作家を巻き込んでいった様子や、その情熱が同時代〜少し後の芸術や文化に与えた多彩な影響。その生な感じをゴッホ本人やゴーギャンの絵画のほか、ポーラ美術館が収蔵するセザンヌやマティスの作品を前に体感できるのは、この展覧会ならでは。
精神科医を訪ねて移り住んだ地で、自ら発砲して亡くなるおよそ1ヵ月前に制作された作品。そのエピソードと棘のあるアザミを前に、ゴッホの激しい画家人生を想う。 フィンセント・ファン・ゴッホ《アザミの花》1890年  ポーラ美術館
精神科医を訪ねて移り住んだ地で、自ら発砲して亡くなるおよそ1ヵ月前に制作された作品。そのエピソードと棘のあるアザミを前に、ゴッホの激しい画家人生を想う。 フィンセント・ファン・ゴッホ《アザミの花》1890年 ポーラ美術館
日本におけるゴッホ・インパクトの歴史を振り返る次の章では、先に述べたように、「白樺」などでゴッホに突き動かされた日本人作家の作品も紹介される。
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