若手の注目作家も。『心象工芸展』が表す新たな視点とは? 金沢の〈国立工芸館〉にて。
October 1, 2024 | Art, Design | casabrutus.com | photo_Nik van der Giesen text_Ayumi Iwamoto editor_Rie Nishikawa
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沖潤子の《水蜜桃》(2020年)。幼い頃に母が食後に桃の皮を剥いてくれた、日常の心象風景を表現。《レモン1》や《アネモネ》など、固有名詞をタイトルに付けたものも多いが、事前に何かをモチーフに作ることはないという。
水蜜桃(すいみつとう)は、沖の母や祖母が日常的に呼んでいた桃の呼び名。古い布にシミを発見し、幼い頃の食卓の記憶を蘇らせながら針を進めた。
《月と蛹 05》(2017年)。包帯が巻かれた鉄枠に感覚的に針と糸を刺し続けた作品。
継ぎはぎにした古い藍染の布に隙間無く縫われた綿糸。赤い玉留めの密集地帯も。
《You are what you wear 01》(2019年)。1963年埼玉県生まれの沖は、2002年頃から作家活動を開始。きっかけは裁縫が得意だった母親が遺した道具と布で、作品には主に古布を用いる。
《蜜と意味 06》(2018年)。
古い足袋に糸を重ねた《大地》(2024年)。《まじろぎ 1》(2024年)。《まじろぎ 2》(2024年)。
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