ART
若手の注目作家も。『心象工芸展』が表す新たな視点とは? 金沢の〈国立工芸館〉にて。
October 1, 2024 | Art, Design | casabrutus.com | photo_Nik van der Giesen text_Ayumi Iwamoto editor_Rie Nishikawa
心象とは、心の中に描き出される姿・形。「心象工芸」は作り手の心象風景が表現された作品を表す造語という。素材や技術の面から語られやすい工芸の、一歩先へと誘う仕掛けだ。
「心象工芸」として、集められたのは刺繍、漆芸、ガラス、陶芸、金工の分野で世界的に活躍する6作家の、新作を含めた全74点。その中でも圧倒的な存在感で迫りくるのは、沖潤子の刺繍作品だ。密度の高さと静かに漲る生命力に目を奪われる。
設計図はなく、古い布との対話を通して、糸を選び、針を刺してゆく。中心からぐるぐると広がり、布は時には立体的に膨らみ、形を変える。
「素材の声、布や糸の意思を聞きながら直観的に手を動かします。糸はくぐらせていくと模様になりますよね、足跡のように。意識的に心象風景を思い浮かべることはありません。人間は記憶でできているので、自然にさらけ出るのだと思います。幸い歳をとってから制作を始めたので、積もる記憶はたくさんあります」(沖潤子)
「素材の声、布や糸の意思を聞きながら直観的に手を動かします。糸はくぐらせていくと模様になりますよね、足跡のように。意識的に心象風景を思い浮かべることはありません。人間は記憶でできているので、自然にさらけ出るのだと思います。幸い歳をとってから制作を始めたので、積もる記憶はたくさんあります」(沖潤子)
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