ART
20組以上の作家が参加した“オバケ”の展覧会。デザインの視点から見えたものとは?
『カーサ ブルータス』2024年9月号より
August 18, 2024 | Art, Culture | a wall newspaper | photo_Masanori Kaneshita text_Hisashi Ikai
絵本、落語、アニメなど、ジャンルを超えた「オバケ」に会える展覧会が立川市の〈PLAY! MUSEUM〉で開催中。アートディレクションを務めた髙田唯さんに案内してもらいました。
毎年夏になると納涼を言い訳に、なぜか私たちは怪談話やホラー映画に興じてしまう。もはや日本の夏には欠かせない風物詩といっても過言ではない “オバケ” に注目したユニークな展覧会『「オバケ?」展』が、東京・立川のPLAY! MUSEUMで開催中だ。
「怖いと思っているくせになぜか興味を示して近づき、実体がないものを可視化しようとする。“オバケ” はまさに人間の感性の豊かさの象徴とも言えるものなんです」
そう話すのは、本展のディレクションを担当したグラフィックデザイナーの高田唯。本企画のために2年間にわたり、オバケにまつわるこの不思議な感覚とは何かを真剣に考えてきた。
「怖いと思っているくせになぜか興味を示して近づき、実体がないものを可視化しようとする。“オバケ” はまさに人間の感性の豊かさの象徴とも言えるものなんです」
そう話すのは、本展のディレクションを担当したグラフィックデザイナーの高田唯。本企画のために2年間にわたり、オバケにまつわるこの不思議な感覚とは何かを真剣に考えてきた。
『「オバケ?」展』では、高田を含める計20組以上の参加作家がそれぞれ独自のアプローチでオバケの世界を表現。せなけいこの絵本『ねないこだれだ』を落語家の春風亭一之輔が名調子で読み聞かせするオバケ落語に始まり、1970年代フランス生まれのバーバパパが神出鬼没するなか、谷川俊太郎・賢作親子がコラボしたオバケ音楽「けいとのたま」が場内に流れる。さらに、絵本評論で知られる広松由希子が古今東西のオバケ絵本500冊をセレクトしたほか、日本美術史学者の安村敏信はオバケという言葉の誕生から妖怪ウォッチまで、日本のオバケ史を見事に論説。
また、祖父江慎がプロデュースしたオバケとともに入浴を楽しむ《オバケ湯》やオバケに変身する《オバケ工場》といった体験型展示も登場。来場者は、オバケを身近に感じ、深く考え、ときに自身がオバケに“化ける”など、多角的な体験を堪能することができる。
また、祖父江慎がプロデュースしたオバケとともに入浴を楽しむ《オバケ湯》やオバケに変身する《オバケ工場》といった体験型展示も登場。来場者は、オバケを身近に感じ、深く考え、ときに自身がオバケに“化ける”など、多角的な体験を堪能することができる。
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