ART
白磁のアーティスト、黒田泰蔵の“チャーミング”な横顔。展覧会が東京・京橋で開催。
June 23, 2023 | Art, Design | casabrutus.com | photo_Satoshi Nagare text_Tami Okano editor_Kazumi Yamamoto
陶芸家であり、白磁のアーティストとして世界的に知られる黒田泰蔵が、何に惹かれ、どんなものを大切にした人だったのか。その一端に触れる展覧会、『白の中のカラフル 黒田泰蔵の暮らし』が、東京・京橋の〈BAG-Brillia Art Gallery-〉にて、7月30日まで開催されている。
吸い込まれそうな「白」の美しさと、緊張感の漂うフォルム。作品から想像する黒田泰蔵、その人は、暮らしに対しても無駄なものを削ぎ落とした厳しさのかたまりのような人かもしれない。でも本当は、可愛いものが好きで、好きなものがたくさんあって、おしゃれで、愛情深い人だった。そう教えてくれる、1冊の本がある。
2021年に発行された書籍『Colorful』。編集を手がけたプレコグ・スタヂオ代表の安藤夏樹は、黒田の人となりを「チャーミング」という言葉で表す。2019年末からの約1年半、100時間を超えて行われた取材と、自宅・アトリエでの撮り下ろし写真で構成されており、その暮らしぶりや少年・黒田泰蔵が「白磁のアーティスト」に至るまでの足跡を垣間見る、貴重なドキュメントになっている。
『白の中のカラフル 黒田泰蔵の暮らし』展は、『Colorful』の4つの章立てを基軸としつつ、〈BAG-Brillia Art Gallery-〉の企画監修を担う、彫刻の森芸術文化財団の齋藤由里子が黒田のアトリエを取材、展覧会として再構築した。自宅から特別に持ち込まれた愛用品の数々を、印象的な言葉とともにゆったりと展示。なかには、100年以上前の鉛製のサーカスの置物や横尾忠則のポスターの原画など、ミュージアムピースとも言える貴重な品も。
2021年に発行された書籍『Colorful』。編集を手がけたプレコグ・スタヂオ代表の安藤夏樹は、黒田の人となりを「チャーミング」という言葉で表す。2019年末からの約1年半、100時間を超えて行われた取材と、自宅・アトリエでの撮り下ろし写真で構成されており、その暮らしぶりや少年・黒田泰蔵が「白磁のアーティスト」に至るまでの足跡を垣間見る、貴重なドキュメントになっている。
『白の中のカラフル 黒田泰蔵の暮らし』展は、『Colorful』の4つの章立てを基軸としつつ、〈BAG-Brillia Art Gallery-〉の企画監修を担う、彫刻の森芸術文化財団の齋藤由里子が黒田のアトリエを取材、展覧会として再構築した。自宅から特別に持ち込まれた愛用品の数々を、印象的な言葉とともにゆったりと展示。なかには、100年以上前の鉛製のサーカスの置物や横尾忠則のポスターの原画など、ミュージアムピースとも言える貴重な品も。
展示の第2章、「僕が白磁にたどり着くまで」では、黒田の陶芸家としての軌跡がわかる作品群も並べられている。21歳のときにカナダで初めて作った高台付きの小鉢から、45歳で白磁にたどり着いた花入れまで。歴代の作品は、ずっと自宅にしまってあったもので、いっぺんに出して並べたのは、『Colorful』の取材・撮影時が初めてかもしれない、と同書で語っている。今回の展示では、書籍で紹介した以外の作品も公開。作風は移ろい、苦しんだ時代もあったというが、どの作品も凛としていて、手の確かさに改めて驚かされる。
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