ART
ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで。芸術家が描く「眠り」の世界。会場設計は〈トラフ建築設計事務所〉です。
November 17, 2020 | Art | casabrutus.com | text_Housekeeper
〈東京国立近代美術館〉にて、「眠り」にまつわる作品約120点を展示する『眠り展:アートと生きること ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで』が11月25日から開催されます。
「眠り」にまつわる約120作品を集めた『眠り展:アートと生きること ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで』が、11月25日〜2021年2月23日まで〈東京国立近代美術館〉で開催される。『陰影礼讃』(2010年)、『No Museum,No Life?ーこれからの美術館事典』(2015年)に続く、国立美術館合同展の第3弾となる本展。ルーベンス、ゴヤ、ルドン、藤田嗣治、内藤礼、塩田千春など、国立美術館の豊富な所蔵作品の中から厳選した古今東西のアーティスト33人の作品が一堂に集結する。
「眠り」という言葉には単なる癒しや休息の意味だけでなく、夢と現実、生と死、意識と無意識といった相反する価値観のあわいや、迷いながら生きる人間の姿、その儚さといった意味も含まれている。本展は18〜19世紀に活躍した巨匠・ゴヤを案内役に、美術における眠りが持つ可能性を7つのテーマで辿っていく構成だ。「夢かうつつか」「生のかなしみ」といったテーマのもと、意外な組み合わせで作品を紹介する。生きていく上で欠かせないだけでなく、芸術家たちの創造を駆り立ててもきた「眠り」は、彼らの美術作品でどう表現されているのだろうか。
さらに本展では〈トラフ建築設計事務所〉が手がける会場デザインも見どころの一つだ。グラフィックデザイナー・平野篤史による会場グラフィックと合わせて、「眠り」というテーマから展示空間にはカーテンを思わせる布、布のようなグラフィックなどが現れる。また、「夢かうつつか」はっきりしない状態をイメージさせる不安定な印象の文字デザインなど、起きていながらにして「眠り」の世界へいざなうさまざまな仕掛けが。また、本展の重要なテーマに一つに「持続可能性」を掲げ、前会期の企画展『ピーター・ドイグ展』の壁面の多くを再利用しているという。