【最新号ちょい見せ】伊東豊雄が挑んだ、大阪・関西万博会場で静かに異彩を放つ〈EXPO ホール〉。
『カーサ ブルータス』2025年6月号より
| Architecture, Design, Travel | photo_Haruhi Okuyama text_Katsura Hiratsuka editor_Ai Sakamoto
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EXPOホール:大阪・関西万博のメインホール。鉄骨造で高さ約20m。席数約1,850席を有する円形劇場で、開会式・閉会式をはじめとする公式行事や各国のセレモニー、音楽・演劇・舞踊などのパフォーマンスなどが実施される。伊東は公募型プロポーザルで設計者として選定された。

目の粗い吹き付け仕上げの白い壁と、金色に輝く屋根が〈太陽の塔〉を連想させる。軒天の仕上げは、偶然にも〈太陽の塔〉の黄金の顔の部分に現在使われているものと同じ製品だという。

通路の壁を白い布が覆う。蚊取り線香のように渦状に切った布を壁に沿わせた。使用した布は全長8,000m。

内部は真っ白で客席とステージの境界を感じさせない。〈太陽の塔〉と同じ真紅にする案もあったが、プロジェクションとの兼ね合いで白に。金色に輝く天井には紙素材を採用。photo_Toyo Ito & Associates, Architects