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ARCHITECTURE

ル・コルビュジエが夢見た、すべてを統合する芸術とは?

| Architecture, Art, Design | casabrutus.com | text_Naoko Aono   editor_Keiko Kusano

モダニズムの巨匠、ル・コルビュジエ。彼は建築という傘のもとに絵画や彫刻を統合することを夢見ていました。『ル・コルビュジエー諸芸術の綜合』展は彼の建築と芸術のインスピレーション源や、同時代の芸術家たちとの関わりについて探るもの。彼の総合的なクリエイションを深掘りできます。

ル・コルビュジエ《マッチ箱と二人の女》1933年。1920年代末ごろからル・コルビュジエの絵画には「人体」のモチーフが描かれるようになる。森稔コレクション蔵。
ル・コルビュジエ《マッチ箱と二人の女》1933年。1920年代末ごろからル・コルビュジエの絵画には「人体」のモチーフが描かれるようになる。森稔コレクション蔵。
「ル・コルビュジエー諸芸術の綜合」展はル・コルビュジエの後半生にスポットをあて、彼が目指した建築と諸芸術の統合について考察する展覧会。ル・コルビュジエの絵画については2019年に〈国立西洋美術館〉で開かれた「ル・コルビュジエ 絵画から建築へーピュリズムの時代」展で主に前半期に焦点をあてて紹介された。今回の展覧会は40歳代以降、円熟期の絵画などにフォーカスしたものとしては日本で初めてのものになる。ゲスト・キュレーターに2020年から22年まで〈国立西洋美術館〉で客員研究員として日本に滞在したロバート・ヴォイチュツケを迎えた。
ル・コルビュジエ《レア》1931年。巨大な牡蠣や牛骨のかけらが描かれる。大成建設株式会社蔵。
ル・コルビュジエ《レア》1931年。巨大な牡蠣や牛骨のかけらが描かれる。大成建設株式会社蔵。
展覧会は4章構成。第1章「浜辺の建築家」ではル・コルビュジエの重要なインスピレーション源の一つだった「自然」にフォーカスをあてる。1930年代のパリでは大恐慌の影響もあり、それまでの機械礼賛から自然科学やシュルレアリスムの幻想的な絵画に人々の関心が向かっていた。ル・コルビュジエもそれまでの幾何学的な構成から貝や動物の骨、流木といった有機的な形態を絵画に取り入れるようになる。会場には彼が集めた貝殻や、そのスケッチなども並ぶ。
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青野尚子の今週末見るべきアートillustration Yoshifumi Takeda

青野尚子

あおのなおこ  ライター。アート、建築関係を中心に活動。共著に『新・美術空間散歩』(日東書院新社)、『背徳の西洋美術史』(池上英洋と共著、エムディエヌコーポレーション)、『美術でめぐる西洋史年表』(池上英洋と共著、新星出版社)。

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