【長野・軽井沢】改修目前の〈軽井沢万平ホテル〉と吉村順三が手がけたアトリエへ|甲斐みのりの建築半日散歩
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フロント前のロビー。日中はカフェテラス利用者の待合室代わりにもなり賑やかだが、朝晩は静かで落ち着いた空間。ロビーの家具は大正時代に使われていた椅子や照明を復刻したもの。

アルプス館の1階から2階へ上がる階段の大窓には「青海波に亀」のステンドグラスが。前身の亀屋旅館にちなんだ図案。

ホテルを代表する本館・アルプス館のクラシックツインルーム。窓際に床の間を配し、和と洋が調和する客室。ベッドとソファの間に仕切りがあり、別々の空間になっているのでよりくつろげる。

創業時から外国人利用者が多いホテルらしく、アルプス館・クラシックツインルームの扉には、英語表記の注意書きが残されている。

客室には軽井沢彫がほどこされたタンスが。夏季の避暑のために長期滞在する客が多いため、このようなタンスが重宝されてきた。

バスルームのレトロな猫足のバスタブ。アルプス館やウスイ館の客室で使用されてきた。

ジョン・レノン家族も利用していたカフェテラス。宿泊者でなくても利用できる。

もともとメニューになかったものをジョン・レノンが所望し、バーテンダーに作り方を教えたことがきっかけで正式メニューに採用された「ロイヤルミルクティー」(1,100円)。

1970年代に流行したフルーツたっぷりの華やかなパフェを、令和の時代の解釈で復刻。シャインマスカットやナガノパープルなどのフルーツ、杏仁ジェラートにアイスクリーム、ピスタチオカスタードを贅沢に盛り付けている。「万平フルーツパフェ」(2,800円)。

カフェテラスで利用されている軽井沢彫りの木札。

カウンター席とローチェアで寛げるテーブル席を揃えたホテルのバー。内装には竹を使用し、和洋折衷の設えに。

バーオリジナルの2種類のカクテル。霧の軽井沢(写真右・2,000円)は、 ウォッカをベースに、柑橘系のリキュールとレモン、ブルーキュラソーを合わせ、すっきり爽やかな味わいに。軽井沢の夕焼け(左・2,000円)は、ジンをベースに、杏とレモンを使用し、甘酸っぱくてどこか懐かしい風味。

木造三階建で切妻造妻入の大屋根を左右に並べたホテルの外観。木製の看板は1894年の創業時から玄関を守り続けてきた。

資料室に展示されている宿帳。ホテルを愛した作家の一人、三島由紀夫の名前が残されている。

メインダイニングルームでは代々、ディナータイムやモーニングタイムで、時間になると鉄琴のチャイムが慣らされる。

格天井のメインダイニングルームでは、代々受け継がれてきた伝統のフランス料理を堪能できる。また、壁際には江戸期と昭和初期の軽井沢の様子を描いたステンドグラスが。原画は宇野澤秀夫。昭和初期の絵柄には、リゾート地として発展していく風景が、モダンな洋装の人々とともに描かれている。

昭和初期から西洋料理メニューの基礎作りに貢献した伝説の料理長・今井真一の献立簿を復刻した特別メニュー「ザ・クラシックディナー」。現在の上皇陛下のために作られた特別メニューも含まれる。メニューカードは、1900年代初期にあたる大正時代から受け継がれるデザイン。

「ザ・クラシックディナー」のコース料理のひとつ。「フランス産エスカルゴときのこのフリカッセ パイ包み焼き」。歴代のオリジナル食器には、「幸せのおとずれ」という花言葉のすずらんが描かれてきた。

「ザ・クラシックディナー」のメイン。「黒毛和牛フィレ肉のグリエ ソースヴァンルージュ 季節の温野菜を添えて」。

「ザ・クラシックディナー」のデザートのひとつ、昔ながらのレシピで作る「カスタードプリン」。
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