【東京・白金台】内田祥三設計の壮麗な建築や、歴史的建造物指定の消防署を訪ねる。|甲斐みのりの建築半日散歩
| Architecture, Culture, Design, Travel | casabrutus.com | photo_Ryumon Kagioka text_Minori Kai
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〈港区立郷土歴史館・旧公衆衛生院〉は、18世紀頃のゴシックリバイバルの流れを汲むアメリカの大学などの建築様式に近い。

2・3階まで吹き抜けの中央ホール。床は大理石、柱は人造大理石、天井は漆喰と贅沢な仕上げ。

スクラッチタイルの外壁や連続したアーチの外観的特徴は「内田ゴシック」と呼ばれている。

玄関前の池は浄水場の実験施設として使用されていた。

階段のガラス板は〈港区立郷土歴史館〉として公開される前に安全のため取り付けられた。

こちらの金属製の照明は当時のもの。他に、竣工当時の写真を元に復元された照明も。

地下1階に外光を取り入れるため、床にプリズムガラスを埋め込んだ1階中央ホール。

汲み取り式トイレが主流だった時代に水洗式が設置されていたため、ホーローにペンキで水洗便所使用の際の注意書きが記されている。

院長室があった3階のトイレは賓客も多いため床や壁は大理石造り。今でも当時のまま大理石が残されている。

池田泰山が設立した泰山製陶所で生産された泰山タイルと思われるタイルが、腰壁を覆う旧食堂。現在は、カフェ〈VEGETABLE LIFE〉として営業。誰でも利用できる。

この日は〈VEGETABLE LIFE〉の「ベジボックス(厚揚げのチンジャオロース)」(1,100円)と、「自家製生姜スカッシュ」(440円)をランチに。3種類のベジボックスのメニューは定期的に変更される。

340席を有する階段状の講堂。式典や研究発表に使用されていた。椅子のクッションと天井板以外は当時のまま保存されている。

壇上の左右には、新海竹蔵による「羊」と「葺鷺」の陶製レリーフが。内田祥三設計の建造物には他にもいくつか、新海の作品が設置されている。

建設当時は高級だったベニヤ材をふんだんに使った旧院長室。床は寄木細工が使用され、建物内でもっとも手の込んだしつらえ。

戦前の書架が残されている旧書庫。建物ガイドツアーの際に見学できる。

館内は、無料エリアと有料エリアに分かれる。こちらは無料で港区の歴史を映像で紹介する「ガイダンスルーム」。
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