国宝《雪松図屏風》で新春を迎える。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS facebook-a facebook instagram line twitter youtube

国宝《雪松図屏風》で新春を迎える。

毎年恒例、お正月に陳列される《雪松図屏風》が〈三井記念美術館〉で今年もお披露目。円山応挙の迫力あるリアリズムに身も心も引き締まる新春です。

国宝《雪松図屏風》 6曲1双。円山応挙 筆(右隻/江戸時代・18世紀)北三井家旧蔵。右隻の中央、右上から左下に伸びる枝の下側が「付立」によるもの。
江戸時代から300年にわたって代々受け継がれてきた三井家の名品を所蔵する〈三井記念美術館〉。毎年新春には円山応挙の国宝《雪松図屏風》を公開するのが恒例だ。2017年、京都国立博物館で開催された「国宝展」にも出品されて多くの人を集めた。2018年、〈三井記念美術館〉での《雪松図屏風》展示は1月4日から2月4日まで。それに合わせて今年は花鳥、とくに「鳥」に焦点をあわせた展示が行われている。
《鳥類真写図巻 1巻》(部分)渡辺始興(1683~1755)筆(江戸時代・18世紀)新町三井家旧蔵。
三井家の人々には自身も鳥を飼うなど鳥好きが多かったようで、鳥にまつわる美術品を多く収集していた。中でも渡辺始興(わたなべしこう)の鳥類真写図巻(ちょうるいしんしゃずかん)は、応挙が自身の写生帖に模写を残すほど熱心に研究を重ねた逸品だ。今回の展示では長さ17メートルにもなる鳥類真写図巻の全図を一挙に公開する。
国宝《雪松図屏風》 6曲1双 円山応挙 筆(左隻/江戸時代・18世紀)北三井家旧蔵。松の葉に積もる雪は、葉を描かないことで表現されている。
《雪松図屏風》はお正月にふさわしい、華やかな金地にモノクロームで厳かな松が描かれたもの。さわるとちくちくしそうな松の葉にふんわりと雪がかかる様子を金と墨だけで描き出している。雪は墨を塗り残して紙の白い地を見せたものだ。松の幹や枝は輪郭線を描かず、「付立」(つけたて)という技法で描かれる。筆全体に淡い墨をつけ、先のほうだけに濃い墨を含ませて横に引くことでグラデーションを作り出す技法だ。

実物を鑑賞する際は画面下をよく見てほしい。砂子(すなご)といって、金箔を細かい粉にしたものが散らしてある。この砂子は普通、装飾のために使われることが多いのだが、ここでは単なる飾りではない。積もった雪に光が反射してきらきらする、その様子を表現しているのだ。冬の冷たく澄んだ空気までもが描かれている、その力量に改めて驚かされるはず。

『国宝 雪松図と花鳥―美術館でバードウォッチング―』

〈三井記念美術館〉

東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号 三井本館7階

TEL 03 5777 8600。〜2月4日。10時〜17時。月曜休(ただし1月8日、29日は開館)。12月28日〜1月3日、9日、28日は休み。1,000円。 ※国宝《雪松図屏風》の展示期間は2018年1月4日から。