東京の空に巨大な顔が浮上! 目[mé]の最新プロジェクト。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

東京の空に巨大な顔が浮上! 目[mé]の最新プロジェクト。

『カーサ ブルータス』2021年8月号より

現代アートチーム目[mé]が「実在する一人の顔」を空に浮かべるプロジェクト《まさゆめ》がこの夏行われる。東京の空に突如誰かの顔が浮かぶ “圧倒的謎” な作品について、アーティストに聞いてみた。

目 [ mé ]
アーティスト荒神明香(中)、ディレクター南川憲二(左)、インストーラー増井宏文を中心とする現代アートチーム。果てしなく不確かな現実世界を、私たちの実感に引き寄せようとする作品を展開。近年では千葉市美術館『非常にはっきりとわからない』展(2019年)、十和田市現代美術館『インター+プレイ』展(2020年)など。photo_Takahiro Tsushima
想像してみてほしい。ふと空を見上げて、知らない誰かの巨大な顔が浮かんでいたら。誰なのか、なぜなのか。「?」で頭がいっぱいになるだろう。この夏、現代アートチーム目[mé]が発表する《まさゆめ》は、「実在する一人の顔」を空に浮かべるプロジェクトだ。東京都と〈アーツカウンシル東京〉が主催する『Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル13』の一つとして企画され、一般人から顔を公募し、ビル6〜7階分の大きさの顔を都内某所で数回浮上させる。ただしいつどこに浮かぶかは当日まで一切明かされない。まさに「事件」とも言うべきプロジェクトなのだ。そのきっかけは、メンバーの一人、荒神が昔見た夢だったという。

「中2くらいのとき、電車に乗っていて視界がぱっと開けたと思ったら、巨大な人の顔が空に浮かんでいる夢を見たんです。強烈で忘れられず、2013年に宇都宮美術館で《おじさんの顔が空に浮かぶ日》という作品にしました。その後 “もっと広く人類に向けたプロジェクトにしたい” と思い直し、性別・国籍を問わない顔を浮かべる今回のプロジェクトを構想しました」(荒神)

今回浮かべる顔を選ぶ過程も作品の一部となっている。オンラインと「顔収集ワークショップ」で顔の候補者を募り、その中から浮かべるべき顔について議論を交わす「顔会議」を開催した。顔はどのように決めるのだろうか?

「こちらが見ると同時に見返してくる顔ってどんな顔だろう? と考えました。パンデミックに直面した人類はいろいろな視野でこの状況を捉えることができるはず。それをより客観的に見つめる顔であればと。風景の中に浮かびながら人間の存在に迫る顔、そして新たな “ものの見方” につながる顔になればと思います」(南川)
世界中から募った一般人の顔から「実在する一人の顔」を空に浮かべるプロジェクト《まさゆめ》。この夏都内某所で数回浮かぶ予定。まさゆめのイメージ画像 (c) 目[mé]
顔を浮かべる場所はどのように決めたのだろうか。

「顔って不思議なことにずっと見ていると惑星のように思えてくるんですよ。それが景色に馴染みすぎず、かといって顔の人となりが出すぎない場所を都内でたくさんリサーチしました」(荒神)

当日はSNSでの反応も大きくなりそうだが、顔を見た人に感じてほしいことを聞いてみた。

「人類は今、この危機を主に医療や経済の点から捉えようとしているように思えます。それは欠かせないことですが、それだけではない。例えば震災の数日後に瓦礫の中から救出された少年が『瓦礫の隙間から星空を眺めることを楽しみにしていた』と言っていた新聞記事を読みました。 “ものの見方” を変えることは、時に私たちの生存をも左右する大切なことなんです。そのきっかけになるような作品であってほしいです」(南川)

「 “圧倒的謎” な状況が目の前に現れたら、その瞬間は生活やしがらみ、悩みが一瞬無になるかもしれません。そんな瞬間を作りたいという思いもありました」(荒神)

「もしかしたら見た人は泣いたり、笑ったり、はたまた怒ってしまったり、さまざまなことが起こるかもしれません。《まさゆめ》が実施される当日、僕たちは街に人々の反応を見に行こうと思ってます。作品を全く知らない人たちがこの顔に遭遇したときのリアクションを見て、自分たちも改めて作品を見てみたいです」(南川)

タイミングよく都内にいれば家やオフィスからでも見られるかもしれないという。この夏は空を要チェックだ。

▼《まさゆめ》のこれまでの流れ

1.[顔]募集
2019年3月、東京の空に浮かぶ顔を特設サイトで募集。世界中から1,000以上集まった。
2.[顔]収集ワークショップ
街に繰り出し応募してくれる顔を探索・収集。都内近郊各地で合計15回実施。
3.[顔]会議
どのような顔を空に浮かべるか? 手がかりを探る公開型の「顔会議」を実施。
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