イサム・ノグチの“庭”を散策する展覧会へ|青野尚子の今週末見るべきアート | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

イサム・ノグチの“庭”を散策する展覧会へ|青野尚子の今週末見るべきアート

20世紀の造形芸術の巨人、イサム・ノグチ。建築家たちとも交流のあった彼の回顧展は、彼の作品で構成された庭のような空間です。石、金属、紙などさまざまな素材による彼の立体作品に囲まれる体験ができます。

《黒い太陽》(1967−69年、国立国際美術館)の後ろには、イサム・ノグチがデザインした150灯の「あかり」が生きているようにゆっくりと点滅する。 (c)2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum / ARS, NY / JASPAR, Tokyo, E3713
大小さまざまな「あかり」はそれぞれ明るさが微妙に違う。 (c)2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum / ARS, NY / JASPAR, Tokyo, E3713
日本人の父とアメリカ人の母との間に生まれ、幼少期を日本で過ごし、世界中を旅しながら制作を続けたイサム・ノグチ。東京・上野の〈東京都美術館〉で開かれている回顧展は、彼の作品が作り出す”森”か”庭”の中を散策しているような展示だ。
《ヴォイド》(1971年、1980年鋳造、和歌山県立近代美術館)。タイトルは「空間」「無」といった意味。無に森羅万象を見出す仏教の思想も思わせる。 (c)2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum / ARS, NY / JASPAR, Tokyo, E3713
3つのフロアに分かれた会場の最初の部屋では、真っ先に《黒い太陽》が出迎える。《黒い太陽》は日本でイサムの右腕となって働いた和泉正敏との出会いのきっかけとなった作品だ。石工の3代目として生まれた和泉は石に関することはもちろん、イサムが香川県の牟礼に設えたアトリエ(現〈イサム・ノグチ庭園美術館〉)に滞在しているときの食事の手配など、生活全般にわたってイサムを助けていた。
「あかり」の下から見上げるとたくさんの月や星が輝いているようにも感じられる。 (c)2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum / ARS, NY / JASPAR, Tokyo, E3713
《黒い太陽》の背後で室内を照らす「あかり」はイサムが1951年に来日した際、鵜飼いを見に訪れた岐阜で岐阜提灯と出合ったことから生まれた照明だ。イサムはこれを自身のライフワークとして30年以上にわたり、200種以上の「あかり」をデザインしている。このフロアでは大小150灯もの円形の「あかり」がインスタレーションされている。この「あかり」は15分ごとにゆっくりと点いたり消えたりを繰り返す。「あかり」の”森”の下には小道があり、「あかり」に囲まれながら歩いて行くことができる。
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