“からまりしろ”が居心地良い。建築家・平田晃久の幾何学とは!? | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

“からまりしろ”が居心地良い。建築家・平田晃久の幾何学とは!?

独特の幾何学で不思議に居心地のいい空間を作り出す建築家、平田晃久。その彼の個展が〈TOTOギャラリー・間〉で始まりました。たくさんの“からまりしろ”がある展示の秘密に迫ります!

〈TOTOギャラリー・間〉個展会場での平田晃久。手前の構造物は近代建築がよりどころとしてきたグリッドとは違う、独自の幾何学でできている。
〈太田市美術館・図書館〉やカプセルホテル〈ナインアワーズ〉など、注目のプロジェクトを次々と完成させている平田晃久。動物の巣のようだったり、森のようだったり、小さな山と谷が続く風景のようだったりする彼の建築は、どうやって作られているのだろう? 開催中の本展は、その謎を解き明かしてくれる展示だ。日本で彼の作品をまとめて見られる、初めての機会になる。
3階の展示風景。大小さまざまな模型やスケッチがディスプレイの棒とともに浮いている。「作品だけで閉じてしまうのではなく、作品同士の関係性を見せたかった」(平田)。
3階と4階、2つのフロアに別れた展示は「下が僕の頭の中の世界で、上がリアルな世界という感じです」と平田は言う。テラスも含めた3階の部屋一杯にひろがっているのは「ひだ」「階層」「動物的」「土」など、彼の建築におけるキーワードをもとにした“思考のジャングル”だ。実現していないものも含めて300個以上の模型やスケッチが、細い棒を組み合わせたまさにジャングルのような構造物に取り付けられている。個人住宅や集合住宅、美術館、店舗、カフェなど用途はさまざまだ。
3階のテラスにも模型などを載せた棒状の構造物が続く。
棒でつくられた平面はそれぞれのプロジェクトやキーワードの関連性を象徴している。たとえば、平面をくねくねと折り曲げて「ひだ」にしたものは、その「ひだ」が多いほど多種の生物が暮らすことができることを表す。この「ひだ」を拡大して建築にすることで多様な人々が集う場を作り出すことができる。彼の建築ではこんなふうに、アイデアやコンセプトがネットワークのように絡み合っている。
〈Architecture Farm〉や〈Gallery S〉など、さまざまな建物の発想源になった「ひだ」の模型。隙間にいろいろな生き物が息づくイメージだ。
台湾に計画されていた個人住宅〈Architecture Farm〉案。
〈Architecture Farm〉や〈Gallery S〉など、さまざまな建物の発想源になった「ひだ」の模型。隙間にいろいろな生き物が息づくイメージだ。
台湾に計画されていた個人住宅〈Architecture Farm〉案。
「全体が一つの作品のようなものと考えることもできます。生物の身体ができるときのように、成長していくような形です」