祝、プリツカー賞! RCRアーキテクツが日本で語ったこと。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

祝、プリツカー賞! RCRアーキテクツが日本で語ったこと。

28年ぶりに日本で開かれた“建築界のノーベル賞”、プリツカー賞の授賞式典。5月20日、東京・赤坂の〈迎賓館赤坂離宮〉を舞台に受賞者のRCRアーキテクツを始め、プリツカー財団のトム・プリツカー氏、プリツカー賞審査員らが集い、盛大に行われました。式直前のRCRアーキテクツへのインタビューでは、詩的かつ哲学的な言葉が次々と飛び出しました。

2017年のプリツカー賞を受賞したスペインのRCRアーキテクツ。史上初の3人同時受賞となる。左からラファエル・アランダ、 カルメ・ピジェム、ラモン・ヴィラルタ。 photo_Manami Takahashi
3月に発表された2017年のプリツカー賞は、昨年のアレハンドロ・アラヴェナに引き続き、“スター建築家から地に足の着いた活動をしている建築家へ”という流れを印象づけた。受賞者のRCRアーキテクツは、彼らの出身地であるスペインのオロットという地方都市を拠点にした三人の建築家のユニットだ。決して有名なわけではなかったけれど、作品を見ていくと地に足の着いた態度や素材の繊細な扱い方、注意深く練られたアイディアに、なるほどプリツカー賞にふさわしいと感じる。プリツカー賞受賞の一報は、彼らの事務所にかかってきた電話で知らされたという。
〈迎賓館赤坂離宮〉で行われた授賞式典で。3人を代表してカルメ・ピジェムがスピーチ。The Hyatt Foundation /Pritzker Architecture Prize
プリツカー賞授賞式典は毎年、その国を代表する建築物で行われる。ネオバロック様式の壮麗な洋館の〈迎賓館赤坂離宮〉は片山東熊が設計し、村野藤吾が改修した。
授賞式典が行われた迎賓館「花鳥の間」。天井の油絵などに花や鳥が描かれている。
〈迎賓館赤坂離宮〉で行われた授賞式典で。3人を代表してカルメ・ピジェムがスピーチ。The Hyatt Foundation /Pritzker Architecture Prize
プリツカー賞授賞式典は毎年、その国を代表する建築物で行われる。ネオバロック様式の壮麗な洋館の〈迎賓館赤坂離宮〉は片山東熊が設計し、村野藤吾が改修した。
授賞式典が行われた迎賓館「花鳥の間」。天井の油絵などに花や鳥が描かれている。
ラモン・ヴィラルタ「もちろんプリツカー賞のことは知っていましたが、私たちがその場に立つ、ということは想像もつきませんでした。審査員が私たちの作品を視察に訪れたことも聞いていましたが、彼らは建築家や建築ジャーナリストですからプリツカー賞につながるとは限らない。まったく予想していなかったことだったので、本当に驚きました」
審査委員長、グレン・マーカットはRCRアーキテクツの建築を「静と動、聖と俗とがバランスをもって溶け合い、人の心を離さない。人が互いに関わり合うプロセスや人間の精神を賛美する。新しいものと伝統、内部と外部とがからみあい、寛容かつ開放的」と評した。The Hyatt Foundation /Pritzker Architecture Prize
授賞式典後の懇親会で過去の受賞者たちと記念撮影。左から西沢立衛(SANAA・2010年受賞)、安藤忠雄(1995年受賞)、妹島和世(SANAA)、RCRアーキテクツのラファエル・アランダ、グレン・マーカット審査委員長(2002年受賞)、RCRのカルメ・ビジェムとラモン・ヴィラルタ、伊東豊雄(2013年受賞)、坂茂(2014年受賞)。The Hyatt Foundation /Pritzker Architecture Prize
1987年にプリツカー賞を受賞した故・丹下健三に続き、日本で二人目の受賞者となった槇文彦(1993年受賞)。プリツカー賞の受賞者はアメリカについで日本が二番目に多い。この日は6名の受賞者が集合した。The Hyatt Foundation /Pritzker Architecture Prize
審査委員長、グレン・マーカットはRCRアーキテクツの建築を「静と動、聖と俗とがバランスをもって溶け合い、人の心を離さない。人が互いに関わり合うプロセスや人間の精神を賛美する。新しいものと伝統、内部と外部とがからみあい、寛容かつ開放的」と評した。The Hyatt Foundation /Pritzker Architecture Prize
授賞式典後の懇親会で過去の受賞者たちと記念撮影。左から西沢立衛(SANAA・2010年受賞)、安藤忠雄(1995年受賞)、妹島和世(SANAA)、RCRアーキテクツのラファエル・アランダ、グレン・マーカット審査委員長(2002年受賞)、RCRのカルメ・ビジェムとラモン・ヴィラルタ、伊東豊雄(2013年受賞)、坂茂(2014年受賞)。The Hyatt Foundation /Pritzker Architecture Prize
1987年にプリツカー賞を受賞した故・丹下健三に続き、日本で二人目の受賞者となった槇文彦(1993年受賞)。プリツカー賞の受賞者はアメリカについで日本が二番目に多い。この日は6名の受賞者が集合した。The Hyatt Foundation /Pritzker Architecture Prize
彼ら自身は、なぜ自分たちが選ばれたと考えているのだろうか。

ラファエル・アランダ「審査員とはそういった話はしていないので詳しいことはわからないのですが、理由の一つは素材や仕事の正直さということだと思います。抽象的な言い方ではなく、具体的な形で世界とコミュニケーションをとっている、実際的な要素とグローバルなものを結びつけているところも評価されたようです」

カルメ・ピジェム「ある報道では『RCRは彼ら固有の言語で表現しているけれど、それはグローバルに理解しうるものだ』と書かれていました。国際的な言語と個別の伝統的な言語の二者択一ではなく、それらが共存しているというのです。私たちにとって、こんなふうに理解してもらえるのはとてもうれしいことです」