住み継がれる日本の名作住宅26。その物語をひもとく。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

住み継がれる日本の名作住宅26。その物語をひもとく。

アントニン・レーモンド、遠藤新、吉村順三、清家清…。現在も住み継がれている日本の名作住宅の数々を取材した、『日本の住宅遺産 名作を住み継ぐ』(著・伏見唯/写真・藤塚光政)。書籍に収められている26の住宅のうち5つを、藤塚光政による美しい建築写真とともにご紹介します。

・〈ダブルハウス〉ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1921年〜)

1905年に滋賀県立商業学校の英語教師として来日、アメリカの技術や伝統を背景に、建築設計を行ったヴォーリズによる住宅。名前の通り2世帯住宅として建てられ、ヴォーリズの両親と設計技師であるスタッフが住んだ。近江八幡市で活動するNPO法人「ヴォーリズ建築保存再生運動一粒の会」の尽力で修復、継承されている。
1905年に滋賀県立商業学校の英語教師として来日、アメリカの技術や伝統を背景に、建築設計を行ったヴォーリズによる住宅。名前の通り2世帯住宅として建てられ、ヴォーリズの両親と設計技師であるスタッフが住んだ。近江八幡市で活動するNPO法人「ヴォーリズ建築保存再生運動一粒の会」の尽力で修復、継承されている。
名画、名著、名曲。同じ”名”が付こうとも名作住宅だけは、実際にひとが日々住み暮らす道具という側面を持つからこそ、100年、200年と受け継がれていくことは稀だ。とくに日本では欧米と違って築年数と資産価値とがはっきり反比例することもあり、名高い建築家による住宅が、世代を超えることなく取り壊されてしまう例も少なくない。

『日本の住宅遺産 名作を住み継ぐ』で紹介される26の住宅は、陰に陽に手を尽くした人々の存在によってそのような憂き目を逃れることができた、まさに”遺産”と呼ぶべき数々。住宅がどのように生まれ、またどのように施主から次、さらに次の住まい手へと住み継がれていったのか。本著はそうした継承の物語をひもといていくなかで、設計時に建築家が意図した意匠と、後年になって住まい手が施す創意工夫とが、幸福に同居しうる実例を提示していく。それは、「新築」を偏重する現代に対する、静かな問いかけでもある。

・〈加地邸〉遠藤新(1928年〜)

フランク・ロイド・ライトの日本における設計・建築において重要な役を担った、遠藤新による住宅。幾何学的意匠、大谷石の使用などそこかしこにライトへの敬意が満ちた居間は、〈帝国ホテル 旧本館〉のロビーを彷彿とさせる。”葉山の遺産である”という思いを同じくする「加地邸保存の会」の人々によって、現在の住人のもとに渡り、また2014年には広くその魅力を訴える展覧会『加地邸をひらく』が開催された。
フランク・ロイド・ライトの日本における設計・建築において重要な役を担った、遠藤新による住宅。幾何学的意匠、大谷石の使用などそこかしこにライトへの敬意が満ちた居間は、〈帝国ホテル 旧本館〉のロビーを彷彿とさせる。”葉山の遺産である”という思いを同じくする「加地邸保存の会」の人々によって、現在の住人のもとに渡り、また2014年には広くその魅力を訴える展覧会『加地邸をひらく』が開催された。