瀬戸内海の島にある伊東豊雄の美術館へ。

12年間に及ぶこの長寿連載の最終回に向かったのは、瀬戸内海の大三島に建てられた伊東豊雄の美術館。しまなみ海道を経由して、大型SUVで向かいました。

尾道〜今治間の約60kmを瀬戸内の島巡りをしながら走る「しまなみ海道」。〈今治市伊東豊雄建築ミュージアム〉がある大三島はその途中の、これぞ瀬戸内といった景色と自然環境に恵まれたところだ。中でもこの建物の立地は写真の通り素晴らしく、きっと伊東自身も一目見て気に入ったことだろう。

こうして上から見ると建築の魅力がよくわかるシルバーハット。

メインの建物である〈スティールハット〉は多面体が組み合わさった小ぶりな建物でありながら存在感は十分。さらに丘の下には、伊東の自邸であった初期の代表作〈シルバーハット〉が再現されているのも大きな見どころだ。

竣工後しばらくは日本初の建築家個人のミュージアムとして自身の建築作品を展示していたが、現在は「日本一美しい島・大三島をつくろうプロジェクト」をテーマに、がらりと館内の展示を変えている。それでも、シルバーハットではこれまでのプロジェクト図面とコンペティション応募案が自由に閲覧できるようにしてあるので、伊東豊雄ファンの欲求もしっかりと満たしてくれるはずだ。

多摩美術大学図書館の屋外模型。背景が海だとまた新鮮な感じがする。

スティールハットの最も奥に位置する展示室内観。角度の異なる壁面がユニークだ。

シルバーハット内部の資料が閲覧できるスペース。シンボリックな椅子のデザインは大橋晃朗。