VEHICLE
Chill CARS|生活道具としての美を備えた、心に響くクルマ。
『カーサ ブルータス』2019年11月号より
October 12, 2019 | Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Fumio Ogawa illustration_Daijiro Ohara
米国車には定番的なデザインが生まれにくい。市場の需要を喚起する目的で、毎年のようにマイナーチェンジを行ってきたせいだ。そこにあって、けだしグッドデザインであり、かつ基本形を守り続けたのが、《ジープ・チェロキー》(2代目)だ。1984年から2001年まで生産された。
このクルマがいいデザインとされているのは、定規だけで描きあげたようなスタイリングでありながら、シンプルな力強さがあるからだ。
車体側面の伸びやかなキャラクターラインが特徴的で、とりわけ2ドアのモデルでは疾走感となって印象に残る。フロントマスクは、標準規格の四角いヘッドランプと縦スロットのグリルという簡単な構成だ。でも愛嬌がある。配置が絶妙なのだろうか。
じつは全長は4200mmしかない。いっぽうホイールベースは2575mmもある。コンパクトな車体に広い内部空間で、良いパッケージングの見本のようだ。
初代からは450kgも軽量化。4L直列6気筒をはじめ、比較的大きなエンジンを搭載しているので、力強く走る。
同時代の《シボレー・ブレイザー》や《フォード・ブロンコ》も、クリーンで機能主義的なスタイルだ。《チェロキー》を含め、これら米国製のSUVは、審美性をことさら追究したのではなさそうな、いわばアンチデザインのクルマである。でも心に響く。いい生活道具に通じる魅力があるからだろう。
車体側面の伸びやかなキャラクターラインが特徴的で、とりわけ2ドアのモデルでは疾走感となって印象に残る。フロントマスクは、標準規格の四角いヘッドランプと縦スロットのグリルという簡単な構成だ。でも愛嬌がある。配置が絶妙なのだろうか。
じつは全長は4200mmしかない。いっぽうホイールベースは2575mmもある。コンパクトな車体に広い内部空間で、良いパッケージングの見本のようだ。
初代からは450kgも軽量化。4L直列6気筒をはじめ、比較的大きなエンジンを搭載しているので、力強く走る。
同時代の《シボレー・ブレイザー》や《フォード・ブロンコ》も、クリーンで機能主義的なスタイルだ。《チェロキー》を含め、これら米国製のSUVは、審美性をことさら追究したのではなさそうな、いわばアンチデザインのクルマである。でも心に響く。いい生活道具に通じる魅力があるからだろう。
special thanks to Kei Miyata, Johnan Jeep( TEL 03 3705 4411) ※データと価格は、撮影車両を参考に算出したものです。
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