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森本千絵プロデュースの噴水も! 広場〈マチニワ〉が青森・八戸に誕生。
August 31, 2018 | Travel, Architecture, Art, Design | casabrutus.com | text_Chihiro Kurimoto editor_Keiko Kusano
アートディレクターの森本千絵がオブジェやロゴをプロデュースした広場〈マチニワ〉が、青森県八戸市の中心街に完成。樹をモチーフにした水飲み場では、噴水の演出も行われる。
青森県の南東部に位置する八戸市。その中心街にこの夏、〈八戸まちなか広場 マチニワ〉が誕生した。天井の格子や壁材には地元の木材を使用しているほか、市民の手で植栽された草木にも囲まれるなど、自然の環境を生かしたつくりで、ガラスの壁と屋根から光を取り込み、開口部が大きくとられたドアを開け放てば風が吹き抜ける。横丁や小路が多い街の真ん中にあり、それらをゆるやかに繋げる役目を担う。
広場の見どころは、噴水兼水飲み場の機能を持つオブジェ《水の樹》だ。プロデュースしたのは、goen°を主宰するアートディレクターの森本千絵。同県三沢市出身という縁もあり、基本コンセプトから設計の監修、ロゴのデザインなどを手がけた。《水の樹》下部には大小2つの水飲み場が設置され、林の中を散策するように水を飲むことができる。今後、自称“世界一大きな水飲み場”としてアピールしていく考えだ。
《水の樹》の設計は、隈研吾建築都市設計事務所の飯塚哲平が担当。「水と遊ぶことのできるインタラクティブかつ、さまざまな水の現象を体験できる空間を目指した」と話す。丹青社が協働し、モックアップの作成と微調整という地道な作業を繰り返しながら形にしていった。
《水の樹》は水飲み場としてだけではなく、1時間ごとに噴水の演出も行われる。上部から水が流れ出し、枝を模したパイプやししおどし、皿状になった葉の部分「カラコロ」を通って下方へ向かって流れていく仕組み。床面からは噴水とミストが噴き出す仕掛けで、水の粒子の大きさの違いを楽しむこともできる。
噴水の演出時には、青森にゆかりのあるアーティスト、坂本美雨+haruka nakamuraが制作したオリジナルの楽曲が流れる。
噴水の演出時には、青森にゆかりのあるアーティスト、坂本美雨+haruka nakamuraが制作したオリジナルの楽曲が流れる。
地域観光交流施設〈八戸ポータルミュージアム はっち〉や、公営書店〈八戸ブックセンター〉に続く、中心市街地活性化のための広場〈マチニワ〉。2020年には建築家・西澤徹夫の設計で〈八戸市新美術館〉も完成予定だ。点と点がつながり線となり、これから面となって街を盛り上げていく。