SPECIAL JAPANESE MODERN ARCHITECTURE 55
宮崎
052 旧都城市民会館
Miyakonojo Civic Center (1966)

1966年竣工。設計:菊竹清訓。メタボリズムの考え方にのっとって、変わらない部分=鉄筋コンクリート造の下部構造の上に、変わる部分=鉄骨造の屋根をふわりと架けている。サザエともヤマアラシとも形容される屋根の形は、実は耳の内部構造から発想したものだという。空調も中央部の吹き出し口から集中的に行う。音や空気の設計を建築の形態に統合しようとする設計者の執念が感じられる。屋根の構造はトラス梁を放射状に並べている。地盤が悪く基礎杭を集中させる必要から、この形が選ばれた。放射状のモチーフは扉のデザインなどにも踏襲されている。都城市内に新しい文化ホールが完成して、いったんは解体されることが決まったが、ぎりぎりの段階で南九州大学が使用を申し出る。市から大学に無償貸与されたが、日常的には活用されないままとなっている。2011年に新燃岳が噴火した際には、救援物資置き場として使われた。