SPECIAL JAPANESE MODERN ARCHITECTURE 55
奈良
035 奈良県庁舎
Nara Prefectural Government Office (1965)

1965年竣工。設計:片山光生/建設省近畿地方建設局。国立霞ヶ丘陸上競技場の設計にも携わった片山光生の担当作品。地上6階建ての主棟と議会など2階建ての低層棟で構成され、低層棟が回廊状に中庭を囲むという寺院の伽藍配置を意識した配置となっている。主棟は敷地の奥に配置され、登大路からの若草山の眺望に配慮。低層棟は人々を招き入れるためにピロティをもち、中庭は芝生が張られ、奈良公園との連続性を意識している。また、外観は高くそびえる塔屋をもち、最上階には大きな庇がせり出す構成。奈良の文化の起源ともいえる古代から天平の伸びやかさを現代的に表現しつつ、色彩の使用を極力抑えるなど、奈良公園に接する周囲の環境を十分配慮したものとしている。近接する県立文化会館(1968)、美術館(1973)の計画も片山が関わっている。