DESIGN
丸窓がかわいい、丸の内線が登場します!
October 12, 2018 | Design | casabrutus.com | photo_Shin-ichi Yokoyama text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
開業から60年あまり、首都圏で大勢の乗降客を運び続けてきた東京メトロ丸の内線に新車両が登場します。丸窓がアクセントになった、愛嬌のあるデザインです!
工場からの輸送時に目撃されて話題になっていた丸の内線の新車両、2000系。2019年2月に予定されているデビューを前に公開された。
まず目につくのが真っ赤な車体と、全体に丸みを帯びたフォルム。丸の内線の路線カラーである赤は「グローイング・スカーレット」と呼ばれている。運転席は現行の02系、その前の300系がほぼ平面に近い形だったのに対して、スピード感ある曲面のガラスになった。
まず目につくのが真っ赤な車体と、全体に丸みを帯びたフォルム。丸の内線の路線カラーである赤は「グローイング・スカーレット」と呼ばれている。運転席は現行の02系、その前の300系がほぼ平面に近い形だったのに対して、スピード感ある曲面のガラスになった。
丸の内線の開業時から使われている波のような模様(サインウェーブ)はこれまで窓の下にあしらわれていたが、2000系では上部に移されている。下の方だと駅に停車したとき、ホームドアで見えなくなってしまうからだ。
丸窓は「丸の内線」の名称からの連想だ。東京メトロでは初めて採用される。他社線でかつて丸窓がついた電車が走っていたことはあるが、現在ではめずらしい。船の丸窓にも似て、旅心を誘われる。
内部も丸(円)をモチーフにしたデザイン。天井がドーム型になっていて、貫通扉(車両の間をつなぐドア)の周りに円のグラフィックが施されているので、車両を見通すと円が浮かび上がるように見える。貫通扉は見通しのいいガラス製。衝突を防ぐため、こちらにも円をモチーフにしたグラフィックが施された。円のうちいくつかは路線図に沿って各駅の名物がデザインされている。お茶の水なら聖橋、東高円寺なら阿波踊りといった具合だ。
車内には大きな荷物を持った人やベビーカー、車椅子ユーザーに便利なフリースペースがあり、小さめのテーブルとコンセントがついた。コンセントは試験的に導入された。1両あたり2口なので、譲り合って使おう。
シートのファブリックも一新、水玉の模様の背もたれがしっかりとホールドしてくれる。乗降ドア上のディスプレイは3面に増えた。2面で案内、1面が広告になる。見えないところだけれどスピーカーや空調の性能もアップ、案内放送が聞き取りやすくなった。訪日客向けの車両内無料Wi-fiも整備される。丸の内線が通っているのは新宿、東京、池袋といった乗降客が非常に多い駅。大勢の乗客が快適に過ごせるよう工夫されている。
丸ノ内線2000系はグローイング・スカーレットやサインウェーブといったレガシーは受け継ぎつつ、余計な装飾などは省いて機能を優先している。快適さと楽しさを両立させたデザインだ。2012年に運転が開始された東京メトロ銀座線1000系は、昭和2年に開通した当時の車両デザインを引用したレトロ調のものだった。それに対して、新しい丸ノ内線2000系はより現代的なデザインになっている。路線ごとに個性的なデザインの車両が増えていくのも面白い。
東京メトロ丸ノ内線 新型車両 2000系
2019年2月頃、営業運転開始予定。