FASHION
エルメスのウィンドウディスプレイ、レイラ・マンシャリの世界。
November 15, 2017 | Fashion, Design, Travel | casabrutus.com | photo_Benoît Teillet text_Mari Matsubara
〈エルメス〉フォーブル・サントノーレ店のウィンドウディスプレイを35年間手がけてきたレイラ・マンシャリのパリの仕事を体感できる展覧会が〈グランパレ〉で開催中です。
〈エルメス〉のパリ、フォーブル・サントノーレ店のウィンドウディスプレイといえば、単なる商品プレゼンテーションの域を超えた存在だ。ポエティックで、驚きに満ち、一瞬にして異世界へと誘うガラス越しのスペクタクルは、通りかかった人を思わず恍惚とさせる魅惑を持っている。そのディスプレイを、1978年から35年間にわたって手がけてきたのが、チュニジア出身のレイラ・マンシャリ。年に4回、じつに150を数える夢のようなウィンドウを創作してきた。レイラの仕事に対するオマージュを込めた展覧会が、パリの〈グランパレ〉で始まっている。
会場には、これまで手がけてきたディスプレイから選りすぐりの8つのシーンをほぼ当時のままそっくり再現している。レイラはつねに世界中のアーティストや熟練したアルチザンと組んで、インスピレーションを具現化してきた。驚くべきことに、ディスプレイに必要なオブジェや家具は、既製品を購入したことは一度もなく、毎回アーティストや職人に特別発注して造られたものか、あるいは1点もののアンティーク品であるという。そしてウィンドウ内に置かれるバッグや馬の鞍などの商品もまた、彼女がクリエイトする世界観に合わせた唯一無二のものが特別に作られ、ウィンドウに見入る者に夢を見せた後は、販売されることなくアーカイブスに眠るという! なんとも贅沢な物語だ。
子供時代を過ごしたチュニジアという国のエキゾチシズム、オリエントの職人技、豊潤な色の世界……レイラのセンスを通したウィンドウは、〈エルメス〉というメゾンが持つ文化の多様性、手仕事への敬意、旅や異国への憧れといった価値観とぴったり合致し、またそれを育み続けていたのだ。
会場には、これまで手がけてきたディスプレイから選りすぐりの8つのシーンをほぼ当時のままそっくり再現している。レイラはつねに世界中のアーティストや熟練したアルチザンと組んで、インスピレーションを具現化してきた。驚くべきことに、ディスプレイに必要なオブジェや家具は、既製品を購入したことは一度もなく、毎回アーティストや職人に特別発注して造られたものか、あるいは1点もののアンティーク品であるという。そしてウィンドウ内に置かれるバッグや馬の鞍などの商品もまた、彼女がクリエイトする世界観に合わせた唯一無二のものが特別に作られ、ウィンドウに見入る者に夢を見せた後は、販売されることなくアーカイブスに眠るという! なんとも贅沢な物語だ。
子供時代を過ごしたチュニジアという国のエキゾチシズム、オリエントの職人技、豊潤な色の世界……レイラのセンスを通したウィンドウは、〈エルメス〉というメゾンが持つ文化の多様性、手仕事への敬意、旅や異国への憧れといった価値観とぴったり合致し、またそれを育み続けていたのだ。
レイラ・マンシャリ
ウィンドウ製作の一線からは退いたが現在もスカーフやアクセサリー部門で活躍中。photo_Carole BellaïcheHermès A Tire-d’Aile les mondes de Leïla Menchari <br>『エルメス−羽ばたきをして− レイラ・マンシャリの世界』
〈Grand Palais (Galerie Sud-est)〉