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家に置く家具は、「自分より命の長そうなものを選ぶ」|〈カリモク家具〉と部屋。
『カーサ ブルータス』2022年7月号より
June 9, 2022 | Design | PR | photo_Tomohiro Mazawa text_Takahiro Tsuchida
〈石巻工房 by Karimoku〉は、東日本大震災を契機に生まれた家具を原点としている。ライフスタイリスト、大田由香梨も認める魅力とは。
Vol.4 石巻工房 by Karimoku
ファッション、インテリア、フードなどの領域を超えた提案をしているライフスタイリストの大田由香梨さん。ものの背景にあるストーリーや作り手の真摯な思いを、ビジュアルによって伝えるのが彼女の役目だ。普段はいろいろな場所に出かけ、相手の声を聞きながら仕事を進めていくことが多い。一方、自宅では落ち着いて自分自身と向き合う時間を好むという。築50年以上を経た集合住宅の一室で、午前中の光が差す広々としたキッチンは、特に気に入っている場所のひとつだ。
その一角に〈石巻工房 by Karimoku〉の《KOBO TABLE by Karimoku》を置いてみた。ニュアンスのある白を基調とした空間に、木目の浮かぶグレーの塗装が似合う。
「シンプルで余計なものがない、洗練されたテーブルですね。まるで建物の一部のようです」と大田さんは話す。このテーブルは、東日本大震災で被災した石巻市民のため、現地でDIYできるように建築家の芦沢啓治が発想したものが原型。だからこそ本質的なデザインになっている。〈石巻工房 by Karimoku〉はその精神を受け止め、〈カリモク家具〉の技で完成度を高めた。木材のサイズを見直し、ビスも外から見えにくい。塗装の仕上げも見事なものだ。大田さんは印象を語る。
「マットで美しく、触り心地もいいんです。身の回りで使うものは、見た目と同じようにテクスチャーを気にしています」
さらに〈石巻工房 by Karimoku〉は、国産の未利用材の活用にも力を入れる。建材や家具に広く使われる太い木材を採るには、間伐などのため細い木も切り出す必要がある。それらは主にパルプや燃料になるが、集成材に加工すると家具にも使える。これは社内に資材部を持つ〈カリモク家具〉の強みだろう。
「そんな背景にも惹かれます。私も地方の家具工場を見学したことがあり、森林の資源を有効活用していきたいと思っていました」
家に置く家具は、ブランドなどにこだわらず、「自分より命の長そうなものを選ぶ」と大田さん。必然的に生まれ、技を尽くすことで完成した〈石巻工房 by Karimoku〉のアイテムは、いつか彼女の選択肢になるだろう。
その一角に〈石巻工房 by Karimoku〉の《KOBO TABLE by Karimoku》を置いてみた。ニュアンスのある白を基調とした空間に、木目の浮かぶグレーの塗装が似合う。
「シンプルで余計なものがない、洗練されたテーブルですね。まるで建物の一部のようです」と大田さんは話す。このテーブルは、東日本大震災で被災した石巻市民のため、現地でDIYできるように建築家の芦沢啓治が発想したものが原型。だからこそ本質的なデザインになっている。〈石巻工房 by Karimoku〉はその精神を受け止め、〈カリモク家具〉の技で完成度を高めた。木材のサイズを見直し、ビスも外から見えにくい。塗装の仕上げも見事なものだ。大田さんは印象を語る。
「マットで美しく、触り心地もいいんです。身の回りで使うものは、見た目と同じようにテクスチャーを気にしています」
さらに〈石巻工房 by Karimoku〉は、国産の未利用材の活用にも力を入れる。建材や家具に広く使われる太い木材を採るには、間伐などのため細い木も切り出す必要がある。それらは主にパルプや燃料になるが、集成材に加工すると家具にも使える。これは社内に資材部を持つ〈カリモク家具〉の強みだろう。
「そんな背景にも惹かれます。私も地方の家具工場を見学したことがあり、森林の資源を有効活用していきたいと思っていました」
家に置く家具は、ブランドなどにこだわらず、「自分より命の長そうなものを選ぶ」と大田さん。必然的に生まれ、技を尽くすことで完成した〈石巻工房 by Karimoku〉のアイテムは、いつか彼女の選択肢になるだろう。
大田由香梨
2004年から雑誌などでファッションのスタイリングを行う。09年以降はライフスタイリストとして衣食住に関わり、自身のスタジオ〈SLEEPINGTOKYO〉やレストランを運営。またクリエイティブディレクターとして多くのブランドを手がける。