ART
ボレマンスとマンダース、金沢21世紀美術館で初のコラボ|青野尚子の今週末見るべきアート
November 6, 2020 | Art | casabrutus.com | photo_Satoshi Nagare text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
ミヒャエル・ボレマンスとマーク・マンダース。一度見たら忘れることのできない、鮮烈な記憶を残す2人の作家が〈金沢21世紀美術館〉で二人展を開いています。ふたりがディスカッションしながら場を作り上げた、特別な展覧会です。
ミヒャエル・ボレマンスはベルギーのゲラールスベルゲンという小さな街に生まれ、現在はゲントを拠点にしているアーティスト。マーク・マンダースはオランダのフォルケルという地方都市に生まれ、現在はロンセというベルギー西部の街に住んでいる。ともに1960年代生まれ、日本でも紹介されたことのある中堅の作家たちだ。
〈金沢21世紀美術館〉で開かれている彼らの展覧会は「ダブル・サイレンス」というタイトルだ。会場にはタイトル通り静かに黙しているようにも、逆に何かを饒舌に語りかけているようにも見える作品が並ぶ。
大小さまざまなサイズのボレマンスの絵画は人物像が多い。マンダースは板のようなものが挿入された顔面の彫刻や、家具や家のように見えるインスタレーションを出品している。マンダースは18歳のときに「建物としてのセルフ・ポートレイト」というコンセプトを得る。それはあたかも神の啓示のような体験だったようだ。以来、彼が作るものはすべてが一つの大きな自画像を構成しているのだという。
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illustration Yoshifumi Takeda
青野尚子
あおのなおこ ライター。アート、建築関係を中心に活動。共著に『新・美術空間散歩』(日東書院新社)、『背徳の西洋美術史』(池上英洋と共著、エムディエヌコーポレーション)、『美術でめぐる西洋史年表』(池上英洋と共著、新星出版社)。
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