京都に行ったら訪れたい! 料理人・船越雅代のフードラボ。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

京都に行ったら訪れたい! 料理人・船越雅代のフードラボ。

国内外で食・文化・アート・デザインを融合した活動を行う船越雅代さん。京都にオープンしたスタジオは食をテーマにあらゆることを発信する、ラボとも呼ぶべき空間。カフェ、プライベートレストラン、フードレジデンシー。新たな拠点で見せてくれるものは?

10年ほど使われていなかった民家をリノベーション。吹き抜けに置かれた大きな円卓が、店というよりは家に招くように人をもてなしたいという船越さんの気持ちの現れ。ディナーは4人から12人までの1日1組の限定。
まずは2階へ案内され、プラムのシロップを使った食前酒などでディナーまでの時間を過ごす。
10年ほど使われていなかった民家をリノベーション。吹き抜けに置かれた大きな円卓が、店というよりは家に招くように人をもてなしたいという船越さんの気持ちの現れ。ディナーは4人から12人までの1日1組の限定。
まずは2階へ案内され、プラムのシロップを使った食前酒などでディナーまでの時間を過ごす。
アートを学んでいたNYで表現ツールとしての料理に目覚め、料理人としてのキャリアをスタートさせた船越雅代さん。時代は折しもアメリカで食への関心が高まり、盛り上がりつつあった2000年代。料理の専門学校を経て、有名レストランのキッチンで経験を積んだ。さらに渡仏してフレンチの修行を経た後、シェフとして太平洋を巡る客船に乗る。その土地で手に入れた素材を使い、世界中で蓄積した味覚の情報を自分の中から引き出して料理を作る。異文化を融合することで生まれる彼女の料理スタイルのベースはこんなふうに培われてきた。

バリのホテルの料理長にと請われて船を降り、その後にレストラン〈kiln〉立ち上げのシェフ・ディレクターとして京都へやってきた船越さん。現在は食の表現者として世界を飛び回り、その場所その時ならではの料理を提案すると同時に、拠点とした京都と深く向き合う料理を作り続けている。
キッチンの後ろにはこれから「料理にも使える果樹を植えていきたい」という庭。4人の場合のディナーはカウンターに座ることも可能で、船越さんとの会話にも心弾む。手際よく、料理が仕上げられる様子を目の前で見るのもまた贅沢。
京都に暮らして7年目の今年5月、ついに完成したスタジオは銀閣寺のほど近く。空間デザイナー・柳原照弘とともに作りあげた空間は、船越さんの「気持ちよく気が通る場所。円卓はマストで」というリクエストに応えたもの。左官職人が丁寧に研ぎ出した壁やカウンターや、木工作家・高山秀樹が古材を組み合わせて作った円卓、東北で使われていた古い水屋箪笥、インドの木製オブジェを使ったシャンデリア。国籍や時代を問わないもので彩られた様子は、まさに船越さんの料理とリンクする。

ウェイティングにも使われる2階は滞在も可能なスペース。「思い描いたのは発信と共に交流ができる場所。海外の料理人やアーティストが滞在して活動するフードレジデンシーの機能も持たせています。ポップアップレストランを開いたり、イベントをしたり。京都とそれぞれの出身地の文化が入り混じって、どんなものが生まれるかというのも楽しみ」という。
フードレジデンシーの場所としても使われる2階。
取り皿は中国・清朝時代の骨董。旅先で手に入れたコレクションのようなアンティークから、村田森・鈴木麻起子・河合和美ら現代作家の器までを取り混ぜて使う。その加減は料理にも通じており、独特の世界観を表現している。
フードレジデンシーの場所としても使われる2階。
取り皿は中国・清朝時代の骨董。旅先で手に入れたコレクションのようなアンティークから、村田森・鈴木麻起子・河合和美ら現代作家の器までを取り混ぜて使う。その加減は料理にも通じており、独特の世界観を表現している。
昼は〈茶楼farmoon〉としてオリジナルブレンドティーなどの飲み物と小菓子が楽しめるカフェに、夜はプライベートレストランとして機能する〈Farmoon〉に。レストランは大原や美山で手に入れる野菜など、ほとんどが京都で手に入れた食材を使ったおまかせスタイル。世界各地で多くの人を虜にしてきたその料理。まず心をぎゅっと掴まれるのはインパクトと美しさを兼ね備えた見た目。続いて食材やスパイスの組み合わせに意表を突かれる。意外に思える組み合わせは、口にした瞬間その絶妙さに膝を打つに違いない。