フカヒレを味わい尽くす〈赤坂 華悦樓〉|寺尾妙子のNEWSなレストラン | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

フカヒレを味わい尽くす〈赤坂 華悦樓〉|寺尾妙子のNEWSなレストラン

フカヒレをたっぷり、リーズナブルにおいしく食べられる中華料理店〈赤坂 華悦樓(かえつろう)〉。

上海料理を代表する「フカヒレの姿煮込み」といえば、文句なしの中華のごちそうだ。ねっちりとしたコラーゲン質のフカヒレに、その繊維1本1本にたっぷり含まれるスープこそが真の主役。熱々で、プルプルでトロトロなフカヒレを通して、スープの旨みを味わう一品である。そのおいしさは丁寧に下処理したフカヒレと、時間をかけて旨みを濃縮させたスープを絶妙な加減で煮込んで初めて生まれる。

2017年12月にオープンした〈赤坂 華悦樓〉オーナーシェフ、服部憲作はフカヒレ料理の専門店〈筑紫樓 丸の内店〉の元料理長。「フカヒレ、というだけでお客さまの目が輝く」様子を目の当たりにしてきたことから、メインをフカヒレに据えた。 
料理は全て夜、5,500円のコースより。高級食材である金華ハムの風味濃厚な上湯ジュレをまとった「フカヒレの冷菜」。
夜の5,500円コースは炒めものや若鶏の唐揚げなども含め、全6品。最初は「フカヒレの冷菜」から始まるのだが、フカヒレを覆う上湯(シャンタン)ジュレの旨みの深さ、繊細さ。高貴な味わいに、いきなりやられる。

「中国料理のだしである湯(タン)には相当こだわっています。醤油味の姿煮込みには火力全開で6時間かけて鶏のコラーゲンを抽出した白湯(パイタン)を使っています。湯の味だけでなく、フカヒレからも旨みエキスが溶け出すことで、複雑な味わいに仕上がるんですよ」(服部シェフ)
塩味で蟹の風味を引き出した「フカヒレと蟹肉の煮込みかけ御飯」。粒がしっかりした新潟産コシヒカリもスープに負けないおいしさ。
フカヒレはすべて気仙沼産。手頃な吉切鮫と毛鹿鮫(モウカザメ)の質のよいものを、価格や料理によって部位も含めて使い分けている。スタンダードな姿煮込みには、やわらかな吉切鮫の胸ビレを、10,000円コースの姿煮込みにはコラーゲン含有率が高く、しっとりした食感で中太繊維の毛鹿鮫の尾ビレを。「フカヒレの冷菜」には吉切鮫の尾ビレを使用。よく動かす部位の尾ビレは繊維に弾力があり、肉厚だ。単品メニューで用意のある「フカヒレの煮込み三種食べ比べ」9,000円なら、それぞれの特徴がよくわかる。
こちらも人気の「アンニン豆腐」。コク深さの理由は企業秘密。
オーナーシェフ、服部憲作。9年勤めた〈筑紫樓 丸の内店〉以前は主に上海料理店と広東料理店で修業を重ねた。
テーブル20席。席間もテーブルも広めで、ゆったり過ごせる。
こちらも人気の「アンニン豆腐」。コク深さの理由は企業秘密。
オーナーシェフ、服部憲作。9年勤めた〈筑紫樓 丸の内店〉以前は主に上海料理店と広東料理店で修業を重ねた。
テーブル20席。席間もテーブルも広めで、ゆったり過ごせる。
コースのデザート、「アンニン豆腐」に至るまで〈赤坂 華悦樓〉の料理はシンプルで中国料理の王道をゆくものばかり。だが、上湯の香りやキレのよさ、アンニン豆腐の複雑なコクなどに独自の個性があり、そのすべてに服部さんの工夫と技術が詰まっている。

“姿” にこだわらなければ、ランチセット1,500円でも「フカヒレの煮込み」が食べられる。姿煮込みに使うフカヒレをほぐしたものを使用し、点心や「アンニン豆腐」なども付いて、とってもお得! 入門編にオススメだ。

〈赤坂 華悦樓(かえつろう)〉

東京都港区赤坂3-21-10
赤坂青明会館3F TEL 03 6435 5347。11時30分〜14時LO、18時〜21時30分LO。日曜•祝日休。ランチセット950円〜。コースは昼4,500円〜、夜5,500円〜(オーダーは2名〜)。アラカルトあり。ビール700円〜、紹興酒はグラス750円、ボトル1,400円〜。ワインはグラス950円〜、ボトル6,000円〜。

寺尾妙子

てらおたえこ 食ライターとして雑誌やWEBで執筆。好きな食材はごはん、じゃがいも、トリュフ。現在、趣味の茶の湯に邁進中。