小寺慶子のレストラン予報|都立大学〈笠井〉 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

小寺慶子のレストラン予報|都立大学〈笠井〉

『カーサ ブルータス』2020年3月号より

イタリアン戦国時代の名将となるでしょう。

梅山豚と黒豚の自家製サルシッチャのオレキエッテ、イカとカラスミのカッペリーニ(写真の料理は9,000円のコースの一例)。
黒毛和牛A2サーロイン、ハタのヴァポーレ。
東京のイタリアンはいま、群雄割拠の時代を迎えている。都心に限らず、私鉄沿線に店を構えるシェフが増えたのも最近の傾向のひとつだが、昨年末、都立大学にオープンした〈笠井〉は、新たな “刺客” として注目すべき1軒だ。

店主の笠井篤さんは薪焼きの名手〈TACUBO〉の田窪大祐さんのもとでパスタ担当を任された後に独立。自身の店で供する9,000円のコースの2本柱は2皿登場するパスタ料理と炭火で焼き上げる肉だ。自慢は粉の配分に注力した “パスタ・フレスカ”。オレキエッテやトロフィエにはもち小麦を加えてもっちり歯切れよく仕上げるなど研究を重ねた手打ちパスタは日本人好みのコシがあり、ソースや具材との相性を熟慮した組み合わせが食べ手の気分を高める。手打ちではないが、五島の林鮮魚店から届くアオリイカと自家製カラスミのカッペリーニのようにどこか和を感じさせる軽やかさがコース全体に。旨みを凝縮させた肉焼き術も上々でイタリアン戦国時代をたくましく生き抜くポテンシャルを感じさせる。
店主と親交のあった中華料理店〈わさ〉の跡地に2019年12月9日にオープン。自由通りに面しているが、看板はひかえめ。鉄柱に取り付けられた木板にある “笠井” の文字をお見逃しなく。
 
[予算]12,000円〜
コースはおまかせ9,000円のみ。ワインペアリング(4杯4,000円、6杯6,000円)も用意。

[予約]可
カウンター8席を店主ひとりで切り盛りしているため、事前に予約をするのがおすすめ。

[ドレスコード]カジュアルでOK
構成力の高いコースでありながら気取りがないのが魅力。いい意味でのラフな空気感を楽しんで。

〈笠井〉

東京都目黒区八雲3-6-22-105 TEL 080 9150 5547。17時〜23時30分LO(土・日15〜21時LO)。水曜休。9席。

小寺慶子

こでらけいこ 肉を糧に生きる肉食系ライター。痩せるというウワサの梅干しサワーダイエットを試みるも、飲みすぎによる塩分&アルコールの過剰摂取でむくみ(!?)中。

AIがあなたにおすすめ

※過去の記事も表示されます