DESIGN
「デザインあ展」を見に、富山へ。|青野尚子の今週末見るべきアート
April 12, 2018 | Design, Art, Travel | casabrutus.com | photo_Takuya Neda text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
「デザインあ展」は、Eテレで放送されている同名のテレビ番組の世界を三次元で楽しめる展覧会。もちろん見るだけでなく体を動かして遊びながらデザインについて考えることができる。
「デザインあ展 in TOYAMA」:「B 体感のへや」より《「あ」のテーマ》(中村勇吾)。
デザインって何だろう? おしゃれな形や色をつけること? 本当はその奥にあるもっと深い“何か”を考えることが「デザインすること」だ。NHK・Eテレの人気番組『デザインあ』はテンポのいい映像でデザインの本質を教えてくれるプログラム。子どもはもちろん、大人にもファンが多い。その世界を三次元で楽しめる展覧会が『デザインあ展 in TOYAMA』だ。見るだけでなく、体を動かして遊びながらデザインについて考えることができる。展示は、基本的にすべて新作。2013年に〈21_21 DESIGN SIGHT〉で開かれた同名の展覧会での作品も一部がアーカイヴ展示されている。より大規模に、もっと楽しめる仕掛けだ。
展覧会は大きく3つのエリアに別れている。まず最初は「A 観察のへや」。長方形のギャラリーは入り口から奥に向かって「お弁当」「マーク」「容器」「からだ」「なまえ」の5つのテーマに分かれている。さらにそのテーマごとに「みる」「考える」「つくる」というステップがある。
たとえば子どもたちが教室でおしゃべりしている写真をよく見ると、目には「め」の文字が、口には「くち」の字がびっしりと書かれていて、その濃淡で形ができている。これは「なまえ」の「みる」というコーナーだ。
「なまえ」の「考える」では、いろいろなお店の看板の書体を分析し、「あ」の字を作った。お店によってそれらしい書体があるから、「あ」の書体からどんなお店か当ててみる、という遊びができる。
「A 観察のへや」より《名は顔をあらわす》(大日本タイポ組合+奥田透也)。入力した文字がそれぞれ目・鼻・口になって、実際の顔の変化に合わせて動き出す。
最後の「つくる」ではモニターに自分の顔を映して名前をひらがなで入力すると1文字ずつ目と鼻と口になって、実際の表情に合わせて動く。動く「へのへのもへじ」のような感じだ。
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illustration Yoshifumi Takeda
青野尚子
あおのなおこ ライター。アート、建築関係を中心に活動。共著に『新・美術空間散歩』(日東書院新社)、『背徳の西洋美術史』(池上英洋と共著、エムディエヌコーポレーション)、『美術でめぐる西洋史年表』(池上英洋と共著、新星出版社)。
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