ヴィトラ・キャンパスで大イームズ展が開催中です! | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

ヴィトラ・キャンパスで大イームズ展が開催中です!

建築、デザインの聖地ヴィトラ・キャンパスで、大規模なチャールズ&レイ・イームズ展が開催中。代表作のみならず、彼らが手がけた映像や作品づくりのプロセスなどから、マルチクリエイターとしてのイームズ夫妻の鋭い感性を紹介する。

アメリカのミッドセンチュリー・デザインを率いたデザイナー、チャールズ&レイ・イームズ。彼らの家具をヨーロッパで60年間、3世代に渡って手がけてきたヴィトラが、ドイツ、ヴァイル・アム・ラインにある〈ヴィトラ・キャンパス〉内で大規模かつエクスクルーシブな『イームズ・セレブレーション』展を開催中だ。1940年代からフィルムやインスタレーションを手がけ、アートディレクターとしても活躍したデザインの先駆者の仕事を、ヴィトラ・キャンパスにある4つの名作建築内で一挙に公開する。

Power of Design パワー・オブ・デザイン — フランク・ゲイリーの〈ヴィトラ・デザイン・ミュージアム〉

プライウッドのセクション。米軍から依頼されて生産した添え木、飛行機の翼、椅子《イームズプライウッドチェアLCM》、《イームズプライウッドチェアLCW》、子供用家具、1945年の《イームズエレファント》オリジナルなども。
1949年にデトロイトで行われた『フォー・モダン・リビング』展の再現。レイとチャールズは家具そのものよりも、当時のモダンな暮らしをアピールした。
ニューヨーク万博のIBMのパビリオン・モデル。コンピュータ導入で便利になる社会。“問題解決”をテーマに15のマルチスクリーン映像も手がけた。
左はヨーロッパにアメリカン・モダンライフの旋風を巻き起こした《イームズラウンジチェア&オットマン》(1956)。右は友人の映画監督、ビリー・ワイルダーの昼寝用のニーズに応えた長椅子《イームズチェイス》(1968)。
プライウッドのセクション。米軍から依頼されて生産した添え木、飛行機の翼、椅子《イームズプライウッドチェアLCM》、《イームズプライウッドチェアLCW》、子供用家具、1945年の《イームズエレファント》オリジナルなども。
1949年にデトロイトで行われた『フォー・モダン・リビング』展の再現。レイとチャールズは家具そのものよりも、当時のモダンな暮らしをアピールした。
ニューヨーク万博のIBMのパビリオン・モデル。コンピュータ導入で便利になる社会。“問題解決”をテーマに15のマルチスクリーン映像も手がけた。
左はヨーロッパにアメリカン・モダンライフの旋風を巻き起こした《イームズラウンジチェア&オットマン》(1956)。右は友人の映画監督、ビリー・ワイルダーの昼寝用のニーズに応えた長椅子《イームズチェイス》(1968)。
2015年にロンドン〈バービカン・センター〉で行われた企画展『The World of Charles an Ray Eames』をもとに、アートとデザイン、テクノロジーのパイオニアとしてのイームズを紹介する。

世の中のニーズを理解し、そのツールを作ることに徹したチャールズとレイは、コミュニケーション・デザインにおいても才能を発揮した。1964年、ニューヨーク万博のIBMパビリオのマルチスクリーンの再現、1959年、モスクワで発表した「アメリカの光景」では緊迫した冷戦下、自然、動物や社会を映し出す映像を上映し、アメリカとソ連はそれほど違わないと訴えた。
   
中でも必見はグーグル・アースの発案の鍵になったとも言われる教育映画「パワーズ・オブ・テン」。最初に映し出されるのは1m四方のピクニック風景。そこから10秒かけて頭上に上がり、10m四方、100m四方、さらに宇宙の果てまでを映し出すという内容だ。このためにレイがピクニック風景を用意する様など撮影時のドキュメントや、オフィスでも旅先でも撮影を続けた彼らの写真アーカイブも興味深い。

Pray Paradeプレイ・パレード — フランク・ゲーリーの〈ギャラリー〉

《ザ・トイ》(1951)は三角形と正方形のカラフルなペーパー・パネルと木製ポールのキット。翌年には《ザ・リトル・トイ》も発表。家やテント、飛行機などをカラーバリエーションの組み合わせでいろいろなパターンが楽しめる。
《ザ・トイ》(1951)は三角形と正方形のカラフルなペーパー・パネルと木製ポールのキット。翌年には《ザ・リトル・トイ》も発表。家やテント、飛行機などをカラーバリエーションの組み合わせでいろいろなパターンが楽しめる。
ロングラン・ベストセラー《ハウス・オブ・カード》(1952)は54枚入りのカードのオリジナル。
大人も子供も頭からすっぽりかぶれるニワトリ、カエル、キリンのお面。プロトタイプは現存せず、今回の展示のために再現した。世界中のマスク・コレクションも。
ロングラン・ベストセラー《ハウス・オブ・カード》(1952)は54枚入りのカードのオリジナル。
大人も子供も頭からすっぽりかぶれるニワトリ、カエル、キリンのお面。プロトタイプは現存せず、今回の展示のために再現した。世界中のマスク・コレクションも。
玩具は子供のためだけではないと考えるレイとチャールズは世界中のから玩具を集め、製作もした。レイはニューヨークで美術を専攻後、マーサ・グラハムにダンスを学んだ経験もある。抽象的な美術よりも日常に役立つものを創造する道を選んだ彼女はお芝居や映画が大好きな女性だった。サーカスやパレードにも出かけ、いろいろな国のお面を集め、レイとチャールズは人の集まる会でエキゾチックな民族衣装やお面などをかぶって仮装を楽しんだ。子供にとっても仮装は、自由にのびのびした自己表現の育成に役立つと考えていたようだ。

凧やコマは立体的で、その構造と動きを見ながら、身体を使ってバランスを理解させるのに最適だ。チャールズは美術学校で学生を教える時もまず、凧を作らせ、飛ばす実践を行なった。

会場ではチャールズとレイが初めて一緒に撮影したフィルム『トラベリング・ボーイ』(1950)と『パレード』(1952)も上映されている。