DESIGN
貴重な民藝の記録フィルムが〈ATELIER MUJI〉で上映中です。
February 12, 2017 | Design | casabrutus.com | text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
ろくろを回す濱田庄司、壺の表面を掻き落として紋様をつけるバーナード・リーチ。現在、民藝運動の現場を記録した貴重な映像が上映されています。このフィルムの保存・修復を手がけているカナダ出身のマーティ・グロスに聞きました。
カナダの映像作家、マーティ・グロスは40年以上にわたり、民藝の貴重な映像記録を収集・保存してきた。東京・有楽町のATELIER MUJIで開催中の『民藝運動フィルムアーカイブ 名も無き美を求めて 1934-2017』展では、傷んでしまったフィルムを修復してデジタル化し、民藝に関わる人々のナレーションとともに再構成した映像を上映している。
バーナード・リーチが1934年から35年にかけて英国から持参した16mmフィルムカメラで日本各地を撮影した記録映像からの抜粋。『民藝運動フィルムアーカイブ 名も無き美を求めて 1934-2017』展ではロングバージョンを公開中。
フィルムは古いものだと1930年代、新しいものでも70年代に撮られたものが中心だ。ATELIER MUJIでは「『民藝運動フィルムアーカイブ』より〜土掘りから出荷まで〜」『陶器を創る人々』「『民藝運動フィルムアーカイブ』フィルム修復と編集作業」の3本を順番に上映。このほかに、会場のモニタでも修復したフィルムが流れている。バーナード・リーチが使っていた貴重なカメラと同型のモデルや手紙などの資料も展示されている。
大半がモノクロームの映像には、職人たちが黙々と土をこね、ろくろを回し、絵付けをして窯に入れる様子が記録されている。多くは家族や職人どうしの共同作業だ。自然な分担で美しい皿や壺が作られていく。どの作業にも無駄がなく、流れるように動く手から“用の美”を体現する器や道具が次々に生み出されていく。父の隣に子が座って、真剣な眼差しで土と取り組む姿もある。父はときどき子の手元に目をやって、コツを教える。上手くいったときの息子の笑顔がまたかわいい。
フィルムには器などを作る作業風景だけでなく、その背景となる工房の様子や家、山並みも写し取られている。どっしりした茅葺きや瓦の屋根の下、きちんと片付けられた作業場で職人たちがそれぞれの持ち場を守っている。里山の回りに広がる畑や田の前を、長い板にいくつも皿や壺を載せて行き交う姿も面白い。
フィルムには器などを作る作業風景だけでなく、その背景となる工房の様子や家、山並みも写し取られている。どっしりした茅葺きや瓦の屋根の下、きちんと片付けられた作業場で職人たちがそれぞれの持ち場を守っている。里山の回りに広がる畑や田の前を、長い板にいくつも皿や壺を載せて行き交う姿も面白い。
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