DESIGN
土田貴宏の東京デザインジャーナル|深澤直人が引いた、工芸とデザインの“境界線”
October 30, 2016 | Design | casabrutus.com | photo_Satoshi Nagare text_Takahiro Tsuchida editor_Keiko Kusano
デザイナーの深澤直人がディレクションし、〈金沢21世紀美術館〉で開催されている『工芸とデザインの境目』展。あえて1本の線を展示室に設定することで、工芸とデザインの関係を多方面からとらえている。
『工芸とデザインの境目』展は、デザイナーの深澤直人の監修のもと、工芸とデザインの関係をあらためて見きわめようとする展覧会だ。そのための方法論として、深澤は2つの領域の境界に1本の“線”を引いた。この線は物理的なもので、すべての展示室の中央に実際に線があり、その左右に展示品が配置されている。線の左側は工芸、線の右側はデザイン、両端に寄るほどそれぞれの割合が高いということになる。
何をもって工芸か、何をもってデザインかを、客観的に判断することは難しい。深澤は、その判断の一例として、「これは、工芸20%、デザイン80%であるというのが説明しやすいかもしれません」と述べる。1つのものにも、工芸とデザインの要素が入り混じっているということだ。
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illustration Yoshifumi Takeda
土田貴宏
つちだ たかひろ デザインジャーナリスト、ライター。家具やインテリアを中心に、デザインについて雑誌などに執筆中。学校で教えたり、展示のディレクションをすることも。
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