土田貴宏の東京デザインジャーナル|好評開催中、ジョージ・ネルソン展の楽しみ方。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS facebook-a facebook instagram line twitter youtube

土田貴宏の東京デザインジャーナル|好評開催中、ジョージ・ネルソン展の楽しみ方。

家具やプロダクトの展示会を中心に、主に東京で見つけた新しいデザインのトピックを取り上げる「東京デザインジャーナル」。デザインジャーナリスト・土田貴宏が厳選してお届けします。

ミッドセンチュリーを代表するカラフルな家具が、グラフィック作品とともに展示されたスペース。
目黒区美術館で始まった「ジョージ・ネルソン展 ─ 建築家、ライター、デザイナー、教育者」が盛況だ。この展覧会は、イームズ夫妻やアレキサンダー・ジラードらと並んでアメリカのミッドセンチュリーデザインを彩った巨匠、ジョージ・ネルソンの全貌を紹介する日本初の機会。〈ハーマンミラー〉による貴重なヴィンテージ家具をはじめ、数々の日用品、模型、写真などを通して、モダンデザイン界の思想的支柱として活躍した彼の創造性を伝えている。

ポップアートにも通じる有名なクロックやソファ、時代を先駆けた革新的なシステム家具、大規模なモスクワでのアメリカ博のプロジェクトなど、このネルソン展の見どころは多い。さらに彼の功績をコンテンツとして“見せる”センスにもぜひ注目したい。というのも今回の展覧会は、現在のデザインシーンのトレンドリーダー〈ヴィトラ〉ゆかりのヴィトラ・デザイン・ミュージアムが企画したもの。例えば代表作《ボールクロック》シリーズをグラフィカルにスタイリングしたり、立体的にレイアウトした家具をさまざまな方向から観られるようにするなど、通常のデザイン展と一線を画した感覚が発揮されている。家具や建築のあり方を新しい視点で考察し、世の中に行き渡らせようとしたネルソンの姿勢とも重なるところだ。決して過去を振り返るだけの展覧会ではない。
左/《ボールクロック》のシリーズは、1940年代から60年代にかけて数多くのバリエーションが生まれた。中/1959年のモスクワのアメリカ博覧会の建物が一部再現され、そこから展示室を見下ろすこともできる。上に見えるのは《バブルランプ》(1952年頃)。右/ハーマンミラーから1964年に発表されたフレキシブルな《アクションオフィス》は、オフィス家具の革命だった。
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土田貴宏

つちだたかひろ デザインジャーナリスト、ライター。家具やインテリアを中心に、デザインについて雑誌などに執筆中。学校で教えたり、展示のディレクションをすることも。

『ジョージ・ネルソン展 - 建築家、ライター、デザイナー、教育者』

●〈目黒区美術館〉

東京都目黒区目黒2-4-36
TEL 03 3714 1201。~9月18日。10時~18時。月曜休。観覧料1,000円。http://www.mmat.jp