DESIGN
吉岡徳仁さん、銀座駅にできた“光の彫刻”について教えてください。
October 16, 2020 | Design | casabrutus.com | photo_Satoshi Nagare text_Housekeeper editor_Keiko Kusano
本日10月16日にリニューアルした東京メトロ銀座駅。その構内に、吉岡徳仁の手がけたパブリックアートが完成しました! 銀座の新たなシンボルとして半永久的に設置される「光の彫刻」とは? その全貌について吉岡さんに聞きました。
2020年内をめどに全駅のリニューアルが進んでいる東京メトロ銀座線。そのうち京橋駅、銀座駅、虎ノ門駅、青山一丁目駅、外苑前駅の5駅でパブリックアートが設置された。
銀座駅のアートは、吉岡徳仁が手がけた『光の結晶 / Crystal of Light』だ。10月16日よりB6出口で公開されている。無数のクリスタルガラスが地下空間で一つになって光彩を放つ、これまでに類を見ない作品だ。今作に込められた思いや制作過程について、吉岡に話を聞いてみた。
銀座駅のアートは、吉岡徳仁が手がけた『光の結晶 / Crystal of Light』だ。10月16日よりB6出口で公開されている。無数のクリスタルガラスが地下空間で一つになって光彩を放つ、これまでに類を見ない作品だ。今作に込められた思いや制作過程について、吉岡に話を聞いてみた。
Q 今回の作品『光の結晶』のコンセプトを教えてください。
まずこの作品でやりたかったのは、「光を彫刻化する」ということです。非物質的な光というものを、物体でどのように表現するかが重要なテーマでした。さらに今、このような時代の中で長年にわたり展示される作品ですので、毎日駅を利用して通行する人に希望を与えられるものを作りたいと考えました。そこで「命の輝き」という言葉がありますが、それを象徴するような生命力を感じられるものにしようと決めたんです。生命力が最もあるのは自然の光だと思っているので、その元となる太陽光をいかに再現できるか?ということに挑戦しました。
もう一つ、この作品には世界平和への願いが込められています。こんな時だからこそ、世界で一つになって困難に立ち向かおう、と。実はこの作品、よく見ると光の輝きが世界地図の形になっています。知っていてもそう言われればそうかな……くらいの感じだと思いますが、よく見てもらえればわかるかもしれません。
まずこの作品でやりたかったのは、「光を彫刻化する」ということです。非物質的な光というものを、物体でどのように表現するかが重要なテーマでした。さらに今、このような時代の中で長年にわたり展示される作品ですので、毎日駅を利用して通行する人に希望を与えられるものを作りたいと考えました。そこで「命の輝き」という言葉がありますが、それを象徴するような生命力を感じられるものにしようと決めたんです。生命力が最もあるのは自然の光だと思っているので、その元となる太陽光をいかに再現できるか?ということに挑戦しました。
もう一つ、この作品には世界平和への願いが込められています。こんな時だからこそ、世界で一つになって困難に立ち向かおう、と。実はこの作品、よく見ると光の輝きが世界地図の形になっています。知っていてもそう言われればそうかな……くらいの感じだと思いますが、よく見てもらえればわかるかもしれません。
Q 作品はどのような構造になっているのでしょうか?
全体のサイズは縦が約1.65m、横が約3.5m。そこに一辺6cmほどの六角形のクリスタルガラスを敷き詰めています。半永久的に設置されるものなので、時代を超えても輝きが色褪せないことを重視して、経年劣化しにくいガラス素材を選びました。六角形にしたのは集合したときに一番構成しやすい形だったからです。ガラスは全部で636個あって、総重量は2トンに及びます。
この作品で再現したかった自然界の光というのは、もともとランダムな光の波長をしています。そのため作品から放たれる無数の光彩も同じくランダムになるようクリスタルガラスを設置しました。具体的には、ひとつのガラスを少しずつ回転しながら配置しています。六角形の6辺のうちどれを上にするか、A〜Fまでの記号を土台の配置図636個箇所全てに振って、それを基に。クリスタルガラス単体で見ると、内部が正六角形ではなく中心がずれていて、これも反射光をランダムにするための工夫ですね。ただ全体としては世界地図を表現したかったので、配置図は輝きが一つにまとまったとき地図になるようシミュレーションして設計しました。
全体のサイズは縦が約1.65m、横が約3.5m。そこに一辺6cmほどの六角形のクリスタルガラスを敷き詰めています。半永久的に設置されるものなので、時代を超えても輝きが色褪せないことを重視して、経年劣化しにくいガラス素材を選びました。六角形にしたのは集合したときに一番構成しやすい形だったからです。ガラスは全部で636個あって、総重量は2トンに及びます。
この作品で再現したかった自然界の光というのは、もともとランダムな光の波長をしています。そのため作品から放たれる無数の光彩も同じくランダムになるようクリスタルガラスを設置しました。具体的には、ひとつのガラスを少しずつ回転しながら配置しています。六角形の6辺のうちどれを上にするか、A〜Fまでの記号を土台の配置図636個箇所全てに振って、それを基に。クリスタルガラス単体で見ると、内部が正六角形ではなく中心がずれていて、これも反射光をランダムにするための工夫ですね。ただ全体としては世界地図を表現したかったので、配置図は輝きが一つにまとまったとき地図になるようシミュレーションして設計しました。
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