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”ユートピア”を作るための家具。ジャージー・セイモアの新作《ブリューラマ》が青山に。

| Design | casabrutus.com | photo_Kenya Abe   text_Housekeeper

ジャージー・セイモアによる新作家具《ブリューラマ》シリーズを使ったエキシビジョン「Naughty, Happy, Poetry」展が、〈マジス東京ショールーム〉で開催中。セイモア本人に、そのデザインコンセプトを聞きました。

ワーキングスペースをイメージした空間。《ブリューラマ》シリーズのスツール、テーブル、棚が様々にスタイリングされている。
ワーキングスペースをイメージした空間。《ブリューラマ》シリーズのスツール、テーブル、棚が様々にスタイリングされている。
”ユートピア”を作るための家具。ジャージー・セイモアの新作《ブリューラマ》が青山に。
ワーキングスペースをイメージした空間。《ブリューラマ》シリーズのスツール、テーブル、棚が様々にスタイリングされている。
”ユートピア”を作るための家具。ジャージー・セイモアの新作《ブリューラマ》が青山に。
“鮮やかな青い惑星のもとにあらゆる色の者が同居し、現実を変容させ、群衆に幸福な帰結をもたらすための、学びの机”ーーBureau for the Study of Vivid Blue Every-Colour Inhabitations of the Planet, the Transformation of Reality, and a Multitude of Happy Endings.

ジャージー・セイモアによる新作家具シリーズ《ブリューラマ》は、2016年のミラノデザインウィークで発表された当初、上のような長いタイトルが付されていた。直線によって構成された、一見シンプルなフォルムのスツール、テーブル、シェルフ。それらのデザインは、セイモア自身の社会や時代に対する強い問題意識に根付いたものだ。

「ひとびとが集まり、お互いのキャラクターを尊重し合いながら、新しい世界を築くための話し合いを行う場となるような家具。それが、このプロジェクトの出発点でした。中央集権的なプロセスではなく、みなが公平な立場で、自分や集団の自治について議論できるようにする……そのための家具とはどんなものだろう? というのが、私が考えたことです。ラウンド状のテーブルは、それを象徴的に示したものです」(ジャージー・セイモア)
《Bureaurama Stool SH500》ブルー/グレイ67,000円、ブラック(斑点)/蛍光オレンジ/蛍光イエロー73,000円。3サイズ展開。
《Bureaurama Stool SH500》ブルー/グレイ67,000円、ブラック(斑点)/蛍光オレンジ/蛍光イエロー73,000円。3サイズ展開。
円形のテーブル《Bureaurama table》210,000円。
円形のテーブル《Bureaurama table》210,000円。
《Bureaurama Stool SH500》ブルー/グレイ67,000円、ブラック(斑点)/蛍光オレンジ/蛍光イエロー73,000円。3サイズ展開。
円形のテーブル《Bureaurama table》210,000円。
「もしこのスツールの斜めの脚が、一般的なフォルムの通りまっすぐ付いていたら、こうして取材には来ていただけなかったと思います(笑)。椅子としてはまっすぐでも何ら構わないんですが、このようにすることで使い手に、世界や、あるいはもう少し卑近なものごとについて話し合う気が生まれるのではないか、と考えたのです」

経済不安、環境問題、賃金格差。その他、あらゆる場面での不公正。この世界で実際に起きている諸問題に対する、ひとりのデザイナーとしてのコミット。それが形となったのが、この《ブリューラマ》シリーズだ。
手前は《Bureaurama Shelf》を2台組み合わせていたスタイリング。予価¥270,000(3段)
手前は《Bureaurama Shelf》を2台組み合わせていたスタイリング。予価¥270,000(3段)
”ユートピア”を作るための家具。ジャージー・セイモアの新作《ブリューラマ》が青山に。
”ユートピア”を作るための家具。ジャージー・セイモアの新作《ブリューラマ》が青山に。
”ユートピア”を作るための家具。ジャージー・セイモアの新作《ブリューラマ》が青山に。
手前は《Bureaurama Shelf》を2台組み合わせていたスタイリング。予価¥270,000(3段)
”ユートピア”を作るための家具。ジャージー・セイモアの新作《ブリューラマ》が青山に。
”ユートピア”を作るための家具。ジャージー・セイモアの新作《ブリューラマ》が青山に。
”ユートピア”を作るための家具。ジャージー・セイモアの新作《ブリューラマ》が青山に。
「エンッォ・マーリも言っていたことですが、デザインとは自ずと社会性をはらむものです。ひとつの椅子をとっても、作る人、購入する人、座る人、それらを包括する経済。すべてが社会的な要素と密接に関わっている。だからこそ、どのような姿勢のもと、どんな考えでプロダクトをデザインするべきかについて、論理学や政治、心理学、経済など、様々な本を読みながら、私は考えるようにしています。”美しいか醜いか””正しいか間違っているか”では、デザインは考えません。私が注目するのは、『倫理観にかなっているかどうか』です。今回はワーキングスペースのようなスタイリングですが、ダイニング、ベッドルーム、パブリックスペースなど、“世界を変えるために話し合う場”は、どこでもいいんです。ただ、新しい何かを生みだすためには、想像力が発揮されるような場所でなければならない。日常で当たり前に用いられるプロダクトでありながら、それを使うひとの考え方にも変化をもたらす。私にとっては、それができたときはじめて、デザインが成功したと言えると思います」

『Naughty, Happy, Poetry』

〈MAGIS東京ショールーム〉東京都港区北青山1-2-3 青山ビル1F TEL 03 3405 6050。10月15日~10月31日。10時30分~19時(最終日は16時まで)。

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