行列必至! 十場天伸・十場あすか展@The Good Luck Store|輪湖雅江の器とごはん | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

行列必至! 十場天伸・十場あすか展@The Good Luck Store|輪湖雅江の器とごはん

器は料理を盛ってこそ! ということで、人気作家の最新作を発表する個展に合わせて、作家本人にも料理を作ってもらおう…という無茶ぶり企画3回目。スリップウェアや瑠璃色の器に行列ができる十場天伸と、白い器で人気の十場あすか夫妻が暮らす、里山の工房を訪ねました。ふたりの個展は滋賀県彦根の〈The Good Luck Store〉で1ヶ月にわたって開催されます。

神戸の六甲近くに家と工房をもつ陶芸家、十場天伸と十場あすかがつくった「器とごはん」。手前/《スリップウェア耐熱両手鍋》×麻婆豆腐。右/《ソーダ釉大皿・青》×夏野菜の揚げびたし。奥/《陶胎漆器オーバル皿》×夏野菜のサラダ。中央/《陶胎漆器碗・黒》×溶き卵汁。左/《藁白釉小皿》×きゅうりと生姜の漬物。レシピは後半でご紹介。
7月5日から始まる『十場天伸展』と、7月16日からの『十場あすか展』(ともに滋賀・彦根〈The Good Luck Store〉で開催)で販売する器。手前/スリップウェア耐熱両手鍋(φ30cm)30,000円、右/ソーダ釉大皿・青(φ27cm)10,000円、奥/陶胎漆器オーバル皿(28×22cm)13,000円、中央/陶胎漆器碗・黒10,000円、左/藁白釉小皿(φ9.7cm)3,000円。展覧会情報は文末に。
神戸の六甲近くに家と工房をもつ陶芸家、十場天伸と十場あすかがつくった「器とごはん」。手前/《スリップウェア耐熱両手鍋》×麻婆豆腐。右/《ソーダ釉大皿・青》×夏野菜の揚げびたし。奥/《陶胎漆器オーバル皿》×夏野菜のサラダ。中央/《陶胎漆器碗・黒》×溶き卵汁。左/《藁白釉小皿》×きゅうりと生姜の漬物。レシピは後半でご紹介。
7月5日から始まる『十場天伸展』と、7月16日からの『十場あすか展』(ともに滋賀・彦根〈The Good Luck Store〉で開催)で販売する器。手前/スリップウェア耐熱両手鍋(φ30cm)30,000円、右/ソーダ釉大皿・青(φ27cm)10,000円、奥/陶胎漆器オーバル皿(28×22cm)13,000円、中央/陶胎漆器碗・黒10,000円、左/藁白釉小皿(φ9.7cm)3,000円。展覧会情報は文末に。
ダイナミックで素朴な絵付けと、料理が映えるおおらかな存在感。一度使ったら病みつきになるのが“スリップウェア”。スリップと呼ばれる化粧土でのびやかな絵柄をつける、民藝でもおなじみの焼き物だ。そんなスリップウェアの器や耐熱皿で大人気なのが若手陶芸家の十場天伸。神戸市近くの緑豊かな里山・淡河町に自宅と工房〈つくも窯〉を構えている。

「10年ほど前にインドネシアのロンボク島を旅した時、島の人が素焼きの大きな両手鍋で揚げ物や炒め物をつくり、鍋ごとドーンとテーブルに出してふるまってくれたんです。それがあまりに素敵で美味しくて大感激して、同じような鍋を買ってかついで帰った。その“ロンボク鍋”を手本に作ったのがスリップウェアの両手鍋です」(天伸)

炒飯や麻婆豆腐からパスタに鍋ものまで、火にかけて調理したらアツアツのまま食卓へ。それだけでみんなの目はくぎ付けになり、テーブルの上は一気に華やかに。熱がじんわりしっかり伝わる土の鍋だから料理はもちろんめちゃくちゃ美味しくて、思わず「こんなの反則!」と言いたくなる。それが天伸さんのつくる耐熱の器なのだ。
十場天伸。六甲山系の絶景を一望できる桃源郷のような土地、神戸の淡河町で育った。京都の工芸学校で赤絵、染付、焼き締め…とさまざまな技法を学んだ確かな腕とセンスで、スリップウェアの大皿から黒釉の抹茶碗まで多彩な作品をつくっている。
おおらかな絵付けが魅力のスリップウェアは天伸さんの代表作。英国生まれのスリップウェアはもともと、オーブン料理に使ったり皿の上でナイフを使って肉を切り分けたり…とガシガシ使ってこそ魅力が増す器。使えば使うほどいい味わいになる。耐熱大皿(φ31cm/20,000円。個展に出品)。
十場天伸。六甲山系の絶景を一望できる桃源郷のような土地、神戸の淡河町で育った。京都の工芸学校で赤絵、染付、焼き締め…とさまざまな技法を学んだ確かな腕とセンスで、スリップウェアの大皿から黒釉の抹茶碗まで多彩な作品をつくっている。
おおらかな絵付けが魅力のスリップウェアは天伸さんの代表作。英国生まれのスリップウェアはもともと、オーブン料理に使ったり皿の上でナイフを使って肉を切り分けたり…とガシガシ使ってこそ魅力が増す器。使えば使うほどいい味わいになる。耐熱大皿(φ31cm/20,000円。個展に出品)。
十場あすか。天伸とともに〈つくも窯〉で、主に白い陶器をつくっている。十場家では田んぼと畑を耕し、米や野菜をつくっているが、その稲わらの灰を使った “藁白釉” の器が人気。
十場あすかは土鍋や土瓶もつくる。写真は十場家で使っている土鍋。伊賀の土鍋土を使った本格仕様で、米にじわーっと火が通り吹きこぼれもほとんどナシ。ごはんもおこげもホントに美味しい。
十場あすか。天伸とともに〈つくも窯〉で、主に白い陶器をつくっている。十場家では田んぼと畑を耕し、米や野菜をつくっているが、その稲わらの灰を使った “藁白釉” の器が人気。
十場あすかは土鍋や土瓶もつくる。写真は十場家で使っている土鍋。伊賀の土鍋土を使った本格仕様で、米にじわーっと火が通り吹きこぼれもほとんどナシ。ごはんもおこげもホントに美味しい。
そんな天伸と、妻で陶芸家のあすか(と4人の子どもと2匹の猫)が暮らしているのは、天伸の生家でもある茅葺き屋根の古民家だ。数年前に室内をモダンに改装し、古くなった茅葺き屋根は自分たちで葺き直したという話にびっくりする。

「昔はこの茅葺きが古臭く見えてイヤだったんですけど、大人になって改めて見たらすごくカッコいい。絶対に残したいなと思いました。で、器づくりを中断し、萱(かや)の産地で有名な熊本の阿蘇に2カ月くらい住み込んで萱を刈り取り、10トン車2台で運んできたんです」(天伸)

陶芸家の住まいを訪ねると、「この人がつくる器に似てるなー」と思うことがよくあるけれど、十場夫妻もしかり。天伸がつくるスリップウェアの、プリミティブで力強くて伸びやかで、でもどこか凛としたところのある感じは、茅葺き屋根に守られた美しい住空間ととてもよく似ている。あすかがつくる白い器がもつ、どんな料理も受けとめておいしそうに見せる包容力は、古民家のおおらかさと通じている気がする。