DESIGN
ねぶたの「かけら」を活用した照明〈KAKERA〉| 行くぜ、東北。
September 28, 2015 | Design, Travel | sponsored | text_Yoshikazu Itamoto (SHOE PRESs) editor_Akio Mitomi
毎年8月、青森の夏はねぶた一色に染まります。しかし運行を終えたねぶたは、祭が終わるとすぐに解体される運命にあります。その美しさ、芸術性の高さが広く世界にも認められているねぶたを人々の記憶に長くとどめられないか。そんなねぶた師の思いから作られ始めたのが〈KAKERA〉です。1台のねぶたから約300個までしか作れない、稀少な照明器具が注目を集めています。
東北を代表する祭のひとつである青森ねぶた祭。毎年8月2日に始まり、7日の夜の壮大な花火と海上運行によって祭は幕を閉じる。各団体が制作した大型のねぶたの多くは、終了直後から解体作業に出され、あとかたもなくなる。
解体されるねぶたを再利用できないか、そう考えたのがねぶた師・竹浪比呂央を中心に青森で展開しているNEBUTA STYLEだ。東北が誇るねぶた祭の美しさ、力強さをベースに、インテリア雑貨、生活雑貨など、統一されたデザインコンセプトによって商品開発を続けている。
解体されるねぶたを再利用できないか、そう考えたのがねぶた師・竹浪比呂央を中心に青森で展開しているNEBUTA STYLEだ。東北が誇るねぶた祭の美しさ、力強さをベースに、インテリア雑貨、生活雑貨など、統一されたデザインコンセプトによって商品開発を続けている。
NEBUTA STYLEが2014年夏に発売を開始したのが〈KAKERA〉。使用する素材は、実際に運行したねぶたのさまざまな「かけら」だ。
あの大きなねぶたを覆っている素材は、彩色を施した和紙である。照明に使えそうな彩色部分をていねいに切り取り、照明器具に加工していくのだが、どの部位でも使えるというわけではない。墨跡、蝋引、彩色というねぶたの三大技法が用いられた部位を厳選している。
あの大きなねぶたを覆っている素材は、彩色を施した和紙である。照明に使えそうな彩色部分をていねいに切り取り、照明器具に加工していくのだが、どの部位でも使えるというわけではない。墨跡、蝋引、彩色というねぶたの三大技法が用いられた部位を厳選している。
ねぶた師は針金と和紙で構成されたねぶたに、日本画の技法にもとづき墨で輪郭を描き、色の透過性を高める蝋引を施し、最後に彩色を行う。青森では、ねぶた師は若者にとって憧れの職業で、誰からも尊敬される存在である。しかし経済的な面からすると、ねぶた師だけで生活を続けていくことは、なかなか厳しいのが現実だ。
NEBUTA STYLEが、ねぶたの芸術性をベースに商品開発を手がけていくのも、ねぶた師の後継者育成、経済的自立のためという側面が強い。一人前になるまで10年はかかるといわれるねぶた師。経済的理由で後継者が育たなかったとしたら、これほど悲しいことはない。だからこそNEBUTA STYLEのような、未来を見据えたプロジェクトが大切になってくる。
NEBUTA STYLEが、ねぶたの芸術性をベースに商品開発を手がけていくのも、ねぶた師の後継者育成、経済的自立のためという側面が強い。一人前になるまで10年はかかるといわれるねぶた師。経済的理由で後継者が育たなかったとしたら、これほど悲しいことはない。だからこそNEBUTA STYLEのような、未来を見据えたプロジェクトが大切になってくる。
〈KAKERA〉には、全ての商品にエディションナンバー入りの「かけら使用証明書」が付属している。これにより、どの年のどのねぶたが使われているかを購入者は知ることができる。2015年夏に発売された〈KAKERA〉には、竹浪が2013年に手がけた2台のねぶたと、ねぶた師・手塚茂樹の2014年のねぶた1台が使われた。
現在〈KAKERA〉の商品構成は、3つのシリーズに分かれる。ろうそくの火のような形のフロアライト「華」、扇の形でねぶたの囃子を表現する「舞」、そしてねぶたのかけらが3方向に貼り込まれたペンダントライトの「彩」。
ねぶた囃子の響きやハネトたちの熱気など、ねぶた祭の感動を呼び覚ましてくれる照明器具。今までにないクラフトとして、今後ますます注目を集めそうだ。
現在〈KAKERA〉の商品構成は、3つのシリーズに分かれる。ろうそくの火のような形のフロアライト「華」、扇の形でねぶたの囃子を表現する「舞」、そしてねぶたのかけらが3方向に貼り込まれたペンダントライトの「彩」。
ねぶた囃子の響きやハネトたちの熱気など、ねぶた祭の感動を呼び覚ましてくれる照明器具。今までにないクラフトとして、今後ますます注目を集めそうだ。