
ブラザー・クラウス・野のチャペル
Bruder Klaus Field Chapel(2007)
by Peter Zumthor
- Photo: AFLO
- Text: Megumi Yamashita@architabi
2007年竣工。設計:ピーター・ズントー。15世紀のスイスの聖人、クラウス修道士を祀る野原に建つ私設チャペル。地元産の丸太112本をテント状に組んだものを内枠に、施主や村人らが土や砂利とセメントを合わせたものを1回に50cmずつ、24回にわたって打つ版築工法で建設。その後、中に火を焚き入れて内枠の丸太を焼いて外している。外壁に見える小さな穴は型枠の接続を兼ねた壁を貫く350本のメタルチューブの端。内側には手吹きガラスの球がはめ込まれ、丸太の跡が黒く残る内壁にはガラス球が星のように瞬く。入口は三角のメタルのドアで、床は溶かした鉛を流し入れたもの。涙形に開いた天井からは、光のほか雨や雪も降り注ぐなど、泣かせどころ満載。