キッチンガーデンのある豊かな暮らし。建築家・津端修一夫妻のドキュメンタリー。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS facebook-a facebook instagram line twitter youtube

キッチンガーデンのある豊かな暮らし。建築家・津端修一夫妻のドキュメンタリー。

アントニン・レーモンドや坂倉準三の元で建築を学び、〈阿佐ヶ谷住宅〉や〈多摩平団地〉をはじめ、数々の名作団地を設計した建築家の津端修一。その集大成ともいえるのが、妻の英子さんと育んだキッチンガーデンに囲まれた自邸です。二人の暮らしを追ったドキュメンタリーは、人生の豊かさとは何かを伝えてくれます。

建築家の津端修一さんとその妻、英子さん。ポレポレ東中野で上映中のドキュメンタリー『人生フルーツ』より。
本誌でも度々、紹介してきた建築家・津端修一さんとその妻、英子さんのライフスタイル。二人の住まいがあるのは、津端さんが設計した愛知県春日井市の〈高蔵寺ニュータウン〉の一角。そこに300坪の土地を購入し、30畳ワンルームの平屋を建てて暮らしてきた。平屋を取り囲むのは120種もの野菜や果物が実るキッチンガーデン。平らに均された敷地にわずかでも里山や雑木林を取り戻したいという思いで、敷地の2/3を庭とし、ほぼ自給自足の暮らしを営んできた。
津端さん夫妻の自邸。師であるアントニン・レーモンドの自邸に倣ったという。
現在、劇場公開されているドキュメンタリー『人生フルーツ』が追いかけるのは、90歳の修一さんと87歳の英子さんの日常だ。収穫した野菜で人々をもてなし、まめに手紙を書き、お互いを尊重ながらのんびりと一日を過ごす二人。「小さく、こつこつ、ときをためて、ゆっくり」と生きる津端夫妻の姿に、「老後」という言葉は似合わない。そこには、歳を重ねたからこそ見いだせる人生の楽しさや豊かさが詰まっている。