VEHICLE
Chill CARS|個性を内に秘めた、イタリアらしい稀有なセダン。
『カーサ ブルータス』2017年11月号より
October 26, 2017 | Vehicle | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Fumio Ogawa illustration_Daijiro Ohara
イタリア人は保守的だとよく言われる。実際、《ランチア テーマ》が発表されたとき、「こういうオーソドックスなセダンがイタリア人は好きなんだ」とデザインを手がけたジョルジェット・ジウジアーロは言葉を残している。
イタリア人は保守的だとよく言われる。実際、《ランチア テーマ》が発表されたとき、「こういうオーソドックスなセダンがイタリア人は好きなんだ」とデザインを手がけたジョルジェット・ジウジアーロは言葉を残している。
ただし、このクルマのスタイリングを見ると“保守的”も悪くないように思える。リアクォーターパネルを後輪のほぼ真上に配したバランスの良いプロポーションを持つからだ。
〈マセラティ〉や〈ロータス〉などのスポーツカーとともに、〈フォルクスワーゲン〉の《ゴルフ》など、実用車のデザインも得意としたジウジアーロ。長いルーフで居住性を高めつつ、短くて厚めのトランクと組み合わせて躍動感を生み出している。
「ネバー・ア・バッド・ランチア(ランチアに悪いモデルなし)」と評されるほど上質なクルマ作りで定評のあった〈ランチア〉だけに〈ポルトローナ・フラウ〉社のレザーを使った内装のテイストも上品。佇まいの良いセダンには昨今お目にかかれなくなっているだけに、今乗ると新鮮だ。
加えて《テーマ》には“8・32”という特別なモデルがある。〈フェラーリ〉のV8エンジン搭載車だ。トランクには電動格納式のリアスポイラーも潜んでいる。一見すると、実直なセダン。それでいて実はスポーツカー。操縦したときの官能性は今も魅力的。個性を静かに内に秘めた、稀有なセダンだ。
ただし、このクルマのスタイリングを見ると“保守的”も悪くないように思える。リアクォーターパネルを後輪のほぼ真上に配したバランスの良いプロポーションを持つからだ。
〈マセラティ〉や〈ロータス〉などのスポーツカーとともに、〈フォルクスワーゲン〉の《ゴルフ》など、実用車のデザインも得意としたジウジアーロ。長いルーフで居住性を高めつつ、短くて厚めのトランクと組み合わせて躍動感を生み出している。
「ネバー・ア・バッド・ランチア(ランチアに悪いモデルなし)」と評されるほど上質なクルマ作りで定評のあった〈ランチア〉だけに〈ポルトローナ・フラウ〉社のレザーを使った内装のテイストも上品。佇まいの良いセダンには昨今お目にかかれなくなっているだけに、今乗ると新鮮だ。
加えて《テーマ》には“8・32”という特別なモデルがある。〈フェラーリ〉のV8エンジン搭載車だ。トランクには電動格納式のリアスポイラーも潜んでいる。一見すると、実直なセダン。それでいて実はスポーツカー。操縦したときの官能性は今も魅力的。個性を静かに内に秘めた、稀有なセダンだ。