VEHICLE
Chill CARS|デザインと機能のバランスが絶妙な“セカンド”の傑作。《フォルクスワーゲン ゴルフⅡ》
June 22, 2017 | Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Fumio Ogawa illustration_Daijiro Ohara
時代を超えた魅力を放つクルマを紹介する新連載「Chill CARS」。初回は、今も歴史に名を残している《ゴルフ》を取り上げる。
《ゴルフ》といえば、1974年発表の初代《ゴルフⅠ》がマスターピースとして広く知られるが、83年に生まれた2代目《ゴルフⅡ》は、足りないところを補った完成形といえる。
《ゴルフⅠ》はイタリアのジョルジェット・ジウジアーロがデザインを担当。「キープコンセプト」と呼ばれる継承型の《ゴルフⅡ》は〈フォルクスワーゲン〉社内のデザイン。当初は“変わり映えしない”と評判が芳しくなかったが、この2台はオリジナルと発展型との関係を考える好例だ。
例えばアルネ・ヤコブセンが設計した名作椅子の《アントチェア》。3本脚がオリジナルだが、後に生まれた4本脚の改良型は転倒の危険がなく、佇まいの美しさは変わらずに使い勝手では上をいく。
《ゴルフⅡ》はホイールベースが75mmも延びて居住性が拡大。エンジン排気量も増えた。魅力的なデザインはそのままに、一気に扱いやすいクルマへと変身した。
80年代の同社は車種を増やしたり、新しいメカニズムを採用したりする一方、一つ一つの製品の質感を上げることにも熱心だった。だから《ゴルフⅡ》の外板は鏡面のようにスムーズで、シートの作りも合成樹脂製部品の質感も高い。
時代を追うと“進化”を評価できる。逆に時を遡って見た場合、マーケティングに媚びないデザインが清々しい。そこが今、新鮮だ。
《ゴルフⅠ》はイタリアのジョルジェット・ジウジアーロがデザインを担当。「キープコンセプト」と呼ばれる継承型の《ゴルフⅡ》は〈フォルクスワーゲン〉社内のデザイン。当初は“変わり映えしない”と評判が芳しくなかったが、この2台はオリジナルと発展型との関係を考える好例だ。
例えばアルネ・ヤコブセンが設計した名作椅子の《アントチェア》。3本脚がオリジナルだが、後に生まれた4本脚の改良型は転倒の危険がなく、佇まいの美しさは変わらずに使い勝手では上をいく。
《ゴルフⅡ》はホイールベースが75mmも延びて居住性が拡大。エンジン排気量も増えた。魅力的なデザインはそのままに、一気に扱いやすいクルマへと変身した。
80年代の同社は車種を増やしたり、新しいメカニズムを採用したりする一方、一つ一つの製品の質感を上げることにも熱心だった。だから《ゴルフⅡ》の外板は鏡面のようにスムーズで、シートの作りも合成樹脂製部品の質感も高い。
時代を追うと“進化”を評価できる。逆に時を遡って見た場合、マーケティングに媚びないデザインが清々しい。そこが今、新鮮だ。