VEHICLE
Chill CARS|車名が一般名詞化し、SUVの源流となったクルマ。
『カーサ ブルータス』2023年10月号より
September 16, 2023 | Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Izuru Endo illustration_Daijiro Ohara
四輪駆動車の代名詞《ジープ》は、アメリカの〈ウイリス〉が第二次世界大戦中に軍用車として開発した出自を持つ。
日本でも朝鮮戦争を見越した米国の要請により、〈三菱〉が1953年からノックダウン生産を開始。官公庁や民間企業に納入されて活躍した。その後、純日本製に切り替わっている。
かつての日本では、どのメーカーの四輪駆動車も「ジープ」「ジープ型」と呼ばれることがあったが、それは《ジープ》が日本を代表する四輪駆動車だったからだ。
アメリカでは、戦後直ちに乗用向けの《ジープ・ステーションワゴン》が登場。一方日本でも56年に、一般ユーザー向け2ドアワゴンの「J11型」が誕生した。さらに60年には、4ドアの「J30系」に発展。居住性と積載性を有する貨客兼用車として、商用登録ながらも「デリバリワゴン」という愛称がつけられ、当時のカタログでは都会派として謳われていた。
そのため機能一辺倒だった《ジープ》と異なり、上部に濃い色を配するツートンカラー、クォーターウィンドウに曲線を使うなど、各部のデザインにも気が配られている。なおドアやパネルに入るプレスの凹凸や、窓下を走るリブは、《ジープ・ステーションワゴン》の意匠を引き継いでいた。
「J30系」は83年に生産を終え、《パジェロ》が後を継いだ。つまり「J30系」は、現代のSUVの源流とも言える。今、このクルマを都市部で颯爽と乗りこなせたら、どんなにスマートなことだろう。
かつての日本では、どのメーカーの四輪駆動車も「ジープ」「ジープ型」と呼ばれることがあったが、それは《ジープ》が日本を代表する四輪駆動車だったからだ。
アメリカでは、戦後直ちに乗用向けの《ジープ・ステーションワゴン》が登場。一方日本でも56年に、一般ユーザー向け2ドアワゴンの「J11型」が誕生した。さらに60年には、4ドアの「J30系」に発展。居住性と積載性を有する貨客兼用車として、商用登録ながらも「デリバリワゴン」という愛称がつけられ、当時のカタログでは都会派として謳われていた。
そのため機能一辺倒だった《ジープ》と異なり、上部に濃い色を配するツートンカラー、クォーターウィンドウに曲線を使うなど、各部のデザインにも気が配られている。なおドアやパネルに入るプレスの凹凸や、窓下を走るリブは、《ジープ・ステーションワゴン》の意匠を引き継いでいた。
「J30系」は83年に生産を終え、《パジェロ》が後を継いだ。つまり「J30系」は、現代のSUVの源流とも言える。今、このクルマを都市部で颯爽と乗りこなせたら、どんなにスマートなことだろう。
country: Japan
year: 1961-83
seats: 6
size: L4,290×W1,620×H1,890mm
price: approx 1,000,000 yen
special thanks to Makoto Okada
※データと価格は撮影車両を参考に算出したものです。
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