TRAVEL
パリの元駅舎空間に、カフェ&DIYアトリエ誕生。
| Travel | a wall newspaper | photo_Marie Hennechart text_Chiyo Sagae
美的リサイクル精神のもと、役立つアイデア満載のカフェ・レストランがクリニャンクールに現れた!
クリニャンクール蚤の市への道すがらにある旧駅舎。何の変哲もない入口だが、以前は市の外周を巡った鉄道の駅で、内部には旧線路を見晴らす大窓のある空間や、日当たりの良い線路脇のスペースなど、敷地は広大。ここが、今夏パリに現れ一躍人気を集めている〈リサイクルリー〉だ。
見晴らしの良い大窓脇のテーブルは人気の特等席。日曜はドリンク付きのブランチプレート(20ユーロ)のみ。この食堂感覚も人気の秘密。
中に入れば、まずは一日中お茶と食事が楽しめるカフェと食材販売コーナー(9月から開始)が。その脇には「ルネのアトリエ」と名づけられた作業/制作アトリエを設置する。各種家電や木工家具の修理、洋服のお直しからキッチン周りの素材での「手づくりコスメ」教授まで、日替わりで各マイスター(専門家)を招くので、訪れる参加者は修理法を学ぶも良し、修理したいモノを持参し師の下で作業するも良し。特殊機器や専門家の道具をここで借用できるメリットは多大とあり、通い詰めるファンも急増中だ。
よくよく空間を見渡せば、〈リサイクルリー〉の名のとおり、カフェカウンターもテーブルも椅子も使い込まれたアノニマスヴィンテージ。旧鉄道の木材を再使用した床や、古い窓ガラスを組み合わせた壁など、心地良い空間のすべては徹底した美的リサイクル精神に基づくことに気づかされる。
日曜は屋外テラスを開放して一般市民のフリーマーケットを開催。線路脇のテーブルに集い食前酒や食事を楽しむ家族やグループも楽しそう。土手際にはカフェ用の菜園を設け、今秋にはヤギや鶏など家畜飼育も始まる! モノだけにとどまらぬ循環システムを提案する都会の新ライフスタイルと、パリ市民の期待が高まっている。
毎週日曜に開催されるフリーマーケットの会場入口。駅舎カフェの入口とは別に、カフェ脇のテラスに直接入場可。

ラ・リサイクルリー
旧線の上に建つ木造駅舎そのものをリサイクルして始まった新アイデアカフェ。アトリエのプログラムはサイト上で事前確認できる。●83, Bd. Ornano 75018 Paris TEL(33)1 42 57 58 49。12時〜24時。無休。公式サイト
