FOOD
六本木ヒルズ珠玉の3店|寺尾妙子のNEWSなレストラン。
December 17, 2018 | Food | casabrutus.com | photo_Kayoko Aoki text_Taeko Terao editor_Rie Nishikawa
予約困難&行列必至の人気店が六本木ヒルズにやってきた! 今秋、新たにオープンしたプレミアムダイニング&フードホールは珠玉の店が揃っている。中でも注目は金沢の〈鮨 みつ川〉、神楽坂で名を馳せたラーメン店が移転リニューアルした〈澄まし処 お料理 ふくぼく〉、予約困難な焼鳥グループの新店〈鳥おか〉だ。
〈鮨 みつ川〉
北陸ならではの豊富で新鮮なネタと、個性豊かな握りのセンスでブレイクし、北陸新幹線開通後、ますます盛り上がりを見せる「金沢の寿司」。2005年の創業以来、そのブームを牽引してきた一軒〈鮨 みつ川〉が六本木ヒルズに店を出した。「予約困難な店の東京進出」だけでも大ニュースなのに、なんと店主、光川浩司が自らカウンターに立つらしい。だとしたら六本木ヒルズ店はもはや支店ではなく、本店? 香箱ガニをはじめとする金沢ならではのネタを使った寿司は、東京でどう再現する?
「本店はあくまで金沢ですが、六本木ヒルズ店は自分が店主として寿司を握るつもりです。これまでは金沢での寿司のベストを追求してきましたが、もし、江戸前寿司の発祥の地、東京でのベストを探ったらどうなんだろうと。そんな好奇心からですね」と光川は言う。
魚介はもともと金沢の近江町市場や七尾港といった石川県の地元のものを中心に、築地からマグロや穴子、自身の出身地である山口・仙崎からムラサキウニや甘鯛を仕入れており、東京でも仕入先はほぼ同じ。ただ、鯛や平目などの白身は輸送時間に比例して、求める質とは違ってしまうため、東京では石川県産の白身は扱わない。シャリも基本的には石川県産の米をベースに、調味の仕方も金沢の店と同じだが、水質が違うため、炊き方を少々、変えている。
魚介はもともと金沢の近江町市場や七尾港といった石川県の地元のものを中心に、築地からマグロや穴子、自身の出身地である山口・仙崎からムラサキウニや甘鯛を仕入れており、東京でも仕入先はほぼ同じ。ただ、鯛や平目などの白身は輸送時間に比例して、求める質とは違ってしまうため、東京では石川県産の白身は扱わない。シャリも基本的には石川県産の米をベースに、調味の仕方も金沢の店と同じだが、水質が違うため、炊き方を少々、変えている。
シャリはふんわりと、やさしい雰囲気を漂わせながらも、京都の富士酢のリッチな風味を効かせた独自の味わい。光川考案による、さっと皮目を炙って香ばしく仕上げ、脂の甘みを引き立たせた「のどぐろの炙り」や青い粒々の子をもった甘海老、三枚に下ろして細切りにして甘みのピークポイントを表面に出した赤イカ。光川の握りには力で攻める江戸前とも、ソフトに素材の持ち味を引き出す金沢の寿司とも違う個性が宿る。
東京で新しい境地を切り拓く〈鮨 みつ川〉。その作風が店を構える場所によって、どう変わっていくのか。金沢の本店と六本木ヒルズ店を食べ比べてみるものいい。
〈鮨 みつ川〉
東京都港区六本木ヒルズ6-10-1 六本木ヒルズ森タワー ウェストウォーク5F TEL 03 6812 9368。11時30分〜14時LO、17時30分〜21時LO。水曜休。2019年1月4日、1月7〜11日休。料理はコースのみ。昼の握りは4,800円、7,000円。昼のつまみと握り12,000円。夜の握りは12,000円。夜のつまみと握りは18,000円。ワインはグラス1,000円〜、ボトル6,000円〜。生ビール500円〜。日本酒1合1,000円〜。
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illustration Yoshifumi Takeda
寺尾妙子
てらお たえこ 食ライターとして雑誌やWEBで執筆。好きな食材はごはん、じゃがいも、トリュフ。現在、趣味の茶の湯に邁進中。
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