FOOD
有名シェフがプロデュースするワンプレート|寺尾妙子のNEWSなレストラン。
October 3, 2018 | Food | casabrutus.com | photo_Kayoko Aoki text_Taeko Terao editor_Rie Nishikawa
星付きシェフが手がけるラーメン、フレンチシェフがつくるカツカレーなど、有名シェフによるワンプレートメニュー専門店が続々オープン! スローな技術とアイデアを盛り込んだ、ファストフードを提供している。
〈カツとカレーの店 ジーエス〉
噛んだ瞬間、驚くほどやわらかなカツに、ピリリとした辛みの後から旨みが押し寄せるカレー。オーナーシェフ、斎藤元四郎はヒット店の仕掛け人。6月にオープンした虎ノ門〈カツとカレーの店 ジーエス〉も、最初のひと口からブレイクを予感させてくれる。
80年代に熱海のフレンチ〈ラ・ルーヌ〉のシェフとして名を馳せた斎藤はその後、高級洋食〈旬香亭〉、とんかつ〈ポンチ軒〉など、人気店を送り出してきた。時代ごとに日本料理の要素やモダンスパニッシュの手法を取り入れながらも、出す店はどんどんカジュアルなものになっていき、〈カツとカレーの店 ジーエス〉ではついに食券制となった。スタイルはファストだが、斎藤が手がける以上、味にはとことんこだわっている。
80年代に熱海のフレンチ〈ラ・ルーヌ〉のシェフとして名を馳せた斎藤はその後、高級洋食〈旬香亭〉、とんかつ〈ポンチ軒〉など、人気店を送り出してきた。時代ごとに日本料理の要素やモダンスパニッシュの手法を取り入れながらも、出す店はどんどんカジュアルなものになっていき、〈カツとカレーの店 ジーエス〉ではついに食券制となった。スタイルはファストだが、斎藤が手がける以上、味にはとことんこだわっている。
カツは肉がやわらかくなるよう、150度で揚げる。通常、この温度だと衣が白くなるところを、特注のフライヤーでキツネ色に揚げ、理想的な仕上がりに。旨辛いカレーのベースは鶏のチューリップや豚などでとった出汁とスリランカのローストカレー粉。さらに静岡〈旬香帝〉のルウを少し加えてコクを出している。隠し味に鰹節少々。
「でもね、毎回、つくるたびに変えて、どんどん、おいしくしてるのよ」(斎藤)
というわけで、訪れるたびにカレーの成長も味わうことができる。このカレーが「カツカレーサンドウィッチ」や「インディアン海老ライス」の味付けの素となる。
「でもね、毎回、つくるたびに変えて、どんどん、おいしくしてるのよ」(斎藤)
というわけで、訪れるたびにカレーの成長も味わうことができる。このカレーが「カツカレーサンドウィッチ」や「インディアン海老ライス」の味付けの素となる。
「インディアン海老ライス」は炒めることで水分が飛び、カレーソースの風味がいっそう鮮やかになる。海老から出るエキスも加わって、旨み爆発。隠れた名作として、じわじわと支持を伸ばしている一品だ。
オープンから半年も経たず、安くてうまい店として行列ができるほどの人気だが、斎藤としてはこれでもまだ、やりたりないらしい。
「これよりも安い店をやりたいんだよね。カツも薄いカミカツにしてさ」
次なる一手が楽しみだ。
「これよりも安い店をやりたいんだよね。カツも薄いカミカツにしてさ」
次なる一手が楽しみだ。
〈カツとカレーの店 ジーエス〉
東京都港区虎ノ門1-8-4 TEL 03 6550 8141。11時〜14時30分、17時〜売り切れ次第終了(だいたい20時前後)。土曜と祝日の夜・日曜休。ヒレカツセットは昼1,200円、夜1,400円。ビール400円〜(以上、税込)。
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illustration Yoshifumi Takeda
寺尾妙子
てらお たえこ 食ライターとして雑誌やWEBで執筆。好きな食材はごはん、じゃがいも、トリュフ。現在、趣味の茶の湯に邁進中。
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