FOOD
〈銀座かつかみ〉でとんかつ食べ比べコース|寺尾妙子のNEWSなレストラン
| Food | casabrutus.com | photo_Kayoko Aoki text_Taeko Terao editor_Rie Nishikawa
今、ブームのとんかつが新時代へ。昼夜、揚げたてを一品ずつ出すスタイルで、部位の食べ比べコースを提供する〈銀座かつかみ〉が誕生した。
「ヒナタさんが銀座に新しくできるお店で料理長をやるらしい」
そんな噂がとんかつ好きフーディーズの間を駆け巡った。それが8月にオープンした〈銀座かつかみ〉。ヒナタさんとはとんかつ界のレジェンド、日向準一。彼が料理長を務め、日本で初めて昼夜コースでとんかつを出すという試みに加えて、ヒレやロース以外の希少部位の食べ比べができるとあっては話題にならないわけがない。
そんな噂がとんかつ好きフーディーズの間を駆け巡った。それが8月にオープンした〈銀座かつかみ〉。ヒナタさんとはとんかつ界のレジェンド、日向準一。彼が料理長を務め、日本で初めて昼夜コースでとんかつを出すという試みに加えて、ヒレやロース以外の希少部位の食べ比べができるとあっては話題にならないわけがない。
カウンターがメイン。京都の職人に特注でつくってもらった銅のフードが付いた揚げ場から、さまざまな部位の揚げたてが昼は2切れ、夜は1切れずつ供される。まるで高級天ぷらのようなスタイルのコースは夜5,000円〜。5つの部位のとんかつに、揚げ物が数種、さらに野菜料理や食事などがつく。
さっぱりしたトマトの小鉢、揚げ銀杏が出たら、一品目のとんかつ「ひれかつ」がやってくる。
小さな塊を揚げから、寝かせて火を通し、半分にカット。肉の表面には透明な肉汁が表面張力いっぱいに浮かんでいる。まずは、この肉汁を吸う! 日向が「うちのとんかつは飲み物だから(笑)」というだけあって、とてもジューシーだ。
夜のコースに使用される山形産の銘柄豚、米澤豚一番育ち。極薄で肉にピタッと貼り付いてはがれない衣に包まれながら、特有の華やかな香りを放ち、深い旨みを舌に残す。気がつけば、何もつけずに食べていた。下味だけで十分と思ったら、なんと肉には塩も何もしていないとか。それであれだけの旨みとは!
夜のコースに使用される山形産の銘柄豚、米澤豚一番育ち。極薄で肉にピタッと貼り付いてはがれない衣に包まれながら、特有の華やかな香りを放ち、深い旨みを舌に残す。気がつけば、何もつけずに食べていた。下味だけで十分と思ったら、なんと肉には塩も何もしていないとか。それであれだけの旨みとは!
さらにランプやシンタマなど、通常、とんかつには使われない赤身の部位が2種。こちらも表面の肉汁をゴクンと飲んでから、肉にかぶりつく。1切れ、1切れ、風味も食感も全然違う。とんかつって、こんなにも奥深いものだったのか。
実は日向料理長、以前は飲食店のメニュー開発やコンサルタントをしており、全国各地の豚の試食を相当数重ねた。また、前に勤めていたとんかつ店が豚を一頭買いしていて、いろんな部位を揚げたことから、この食べ比べスタイルに行き着いた。
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寺尾妙子
てらお たえこ 食ライターとして雑誌やWEBで執筆。好きな食材はごはん、じゃがいも、トリュフ。現在、趣味の茶の湯に邁進中。
