FOOD
パリの3ツ星〈ル・サンク〉元スーシェフによるフルーツ・スイーツ!|寺尾妙子のNEWSなレストラン
July 26, 2018 | Food | casabrutus.com | photo_Kayoko Aoki text_Taeko Terao editor_Rie Nishikawa
昼はパティスリー、夜はレストラン。パリの3ツ星〈ル・サンク〉元スーシェフが出した〈リーブル〉は2度おいしい!
東京のスイーツ・シーンに登場した一軒〈リーブル〉が話題になっている。田熊一衛シェフはパリ帰り。といってもパティシエではなく、料理人。それも5ツ星ホテルのさらに上のランク、パラスの称号をもつパリの最高級ホテルに数えられる〈フォーシーズンズ・ジョルジュ・サンク・パリ〉のメインダイニングであり、ミシュラン3ツ星を保持する〈ル・サンク〉のスーシェフまで務めたという経歴の持ち主なのだ。
「夜はレストランとしても営業しているのですが、まずは親しみやすいスイーツで僕が学んできた3ツ星の技に触れてもらいたくて、日中はパティスリー・ショップという形態を選びました」(田熊)。
シグネチャーとなるスイーツは、まるで本物の果物のようなルックスの「フリュレ」だ。
「夜はレストランとしても営業しているのですが、まずは親しみやすいスイーツで僕が学んできた3ツ星の技に触れてもらいたくて、日中はパティスリー・ショップという形態を選びました」(田熊)。
シグネチャーとなるスイーツは、まるで本物の果物のようなルックスの「フリュレ」だ。
田熊がパリ時代に考案した「フリュレ」。リンゴや桃など、果実の形をかたどった外側は甘さを控えた薄いチョコレート。ナイフで割ると、中から宇和島産ブラッドオレンジや宝島産バナナ、喜界島産パイナップルなど、選び抜いたフルーツを使ったソースやヨーグルトクリームが顔を出す。まるで3ツ星のコースで出てくるデセールのように贅沢な一品はイートイン、テイクアウトの両方、可能。また、夜の食事コースの締めくくりとして味わうことができる。
夜のレストラン営業は8,500円のコースのみ。手で軽くつまめるようなスナック4種から始まるのだが、葉っぱ型のチュイルや、口の中でスーッととろけるようなイワシのリエットひとつとっても、繊細な仕事ぶりに圧倒される。さらに前菜3品、魚料理、肉料理、フリュレでひと通り。新しい見せ方で楽しませつつ、クラシックな技法でブレない味を出す。
オープンキッチンならでは、スイーツも料理も目の前でどんどん仕上がっていく様子を見ることができるのも魅力のひとつだ。
「今、料理がメインのレストランの開店に向けて、準備しているところです」という田熊シェフ。これからの展開も見逃せない。
〈Libre(リーブル)〉
東京都港区白金1-15-36 TEL 03 6447 7077。パティスリー10時〜17時、レストラン18時〜21時LO。不定休(2018年8月は5日、13〜15日、21日、29日休)。夜コース8,500円。ワインはグラス1,200円〜、ペアリング5,000円〜
illustration Yoshifumi Takeda
寺尾妙子
てらお たえこ 食ライターとして雑誌やWEBで執筆。好きな食材はごはん、じゃがいも、トリュフ。現在、趣味の茶の湯に邁進中。