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世界一安い、星付き〈ティム・ホー・ワン〉が日本上陸!|寺尾妙子のNEWSなレストラン
| Food | casabrutus.com | photo_Kayoko Aoki text_Taeko Terao editor_Rie Nishikawa
「世界一安いミシュラン星付きレストラン」と呼ばれる点心専門店〈ティム・ホー・ワン〉が香港から日比谷にやってきた。2時間行列しても食べてよかった! という評判の秘密は?
開店は11時。それでも10時前にはポツポツとひとが並び始め、店の扉が開く頃には建物を囲むように二重の列ができ、以降、夜まで行列が絶えることはほぼない。入店待ち時間はおよそ平日で1〜1時間30分、週末になると2〜3時間ほど。〈添好運(ティム・ホー・ワン) 日比谷店〉は今、日本一長い行列ができる点心専門店だ。ちなみに香港にある本店は4時間待ちもザラで、熱心なファンは海を越えて、行列が短い日比谷店にわざわざ並びにくるらしい。みんなのお目当ては「カジュアルな価格で食べられる一流ホテル並みの点心」だ。
料理1品380円〜680円。「世界一安いミシュラン星付きレストラン」として、世界的有名店となった〈ティム・ホー・ワン〉は、かつて4年連続、ミシュラン3ツ星に輝いた〈フォーシーズンズホテル香港〉の広東料理店〈龍景軒〉で点心師を務めたマックワイファイ・シェフが、レイファイブン・シェフとパートナーを組み、「本物の味を日常的に、カジュアルに」というコンセプトのもと、2009年に香港に出したのが始まり。2010年以降、1ツ星を保持しつつ、台湾やオーストラリア、NYなどに支店を展開し、ついに東京・日比谷店を出した。
人気の秘密はすべて生地から手作りしているというこだわり、そしてこの店ならではの素材の生かし方にある。名物、メロンパンを思わせる生地でチャーシューあんを包んだ「ベイクド チャーシューバオ」はまんじゅうの生地にクッキー生地を乗せて焼いたフワッと軽い皮が、ゴロッとした角切りのチャーシューを引き立てる名作。
人気の秘密はすべて生地から手作りしているというこだわり、そしてこの店ならではの素材の生かし方にある。名物、メロンパンを思わせる生地でチャーシューあんを包んだ「ベイクド チャーシューバオ」はまんじゅうの生地にクッキー生地を乗せて焼いたフワッと軽い皮が、ゴロッとした角切りのチャーシューを引き立てる名作。
「海老の蒸し餃子(ハーガウ)」も片栗粉ベースのつるんと透明な生地で包んだ海老の1粒1粒のカットがボリューミーで、ほかとはひと味もふた味も違う出来映え。何を食べても、小さなひと口で素材が弾けるような勢いがあるのだ。
つくっているのは香港やNYの〈ティム・ホー・ワン〉でトレーニングを受けた点心師をはじめとするスタッフ。うず高く積まれた蒸篭からモウモウと湯気が上がるオープンキッチンでは、あんをつくる、生地をつくる、具を包むなど、各担当がすべて分業制で手づくりしている。スタッフ在籍100人のうち、常時40人近くが出勤しているという。
つくっているのは香港やNYの〈ティム・ホー・ワン〉でトレーニングを受けた点心師をはじめとするスタッフ。うず高く積まれた蒸篭からモウモウと湯気が上がるオープンキッチンでは、あんをつくる、生地をつくる、具を包むなど、各担当がすべて分業制で手づくりしている。スタッフ在籍100人のうち、常時40人近くが出勤しているという。
レシピや価格とともに、提供スタイルも香港の本店と同じ。各テーブルでメニューのチェックボックスに印を付けて注文する。メニューは「蒸点心」「焼点心」「揚点心」「ライスロール」などに分かれているので、各ジャンルから選んでいくとバランスがいい。また、注文後、料理が出てくるのが早いので、できたてを味わいたいなら、少しずつ頼むのがおすすめだ。
唯一、本店と違うのはドリンクメニューがあること。本店ではプーアール茶がサービスで付くが、日比谷店ではプーアール茶は同様で、ほかにコカ・コーラなどのソフトドリンク、そして生ビールの用意があるのだ。行列後の最高の一杯が楽しめるとは、ある意味、世界一幸せになれる点心の店がここなのかもしれない。
〈添好運(ティム・ホー・ワン) 日比谷店〉
東京都千代田区有楽町1-2-2 日比谷シャンテ別館1F TEL 03 6550 8818。11時〜22時LO。無休。予約不可。
寺尾妙子
てらお たえこ 食ライターとして雑誌やWEBで執筆。好きな食材はごはん、じゃがいも、トリュフ。現在、趣味の茶の湯に邁進中。
