FOOD
平野紗季子が企てたレーズンサンドイッチの全貌!
『カーサ ブルータス』2018年6月号より
May 10, 2018 | Food | a wall newspaper | photo_Shinichi Yokoyama text_Kei Sasaki
平野紗季子さんプロデュースのお菓子ブランドが誕生。味づくりに、パッケージに、込められた想いを探ります。
食のフィールドで八面六臂の活躍を続けるフードエッセイストの平野紗季子さんが、お菓子のブランドをプロデュース。発端は「レーズンサンドイッチ」という食べ物に対するアンビヴァレンスにある、というのが実に平野さんらしくてユニークだ。
「無類の食いしん坊である私の唯一の天敵がレーズン。バタークリームを香ばしいサブレで挟んだあの魅惑的なお菓子を、黒き憎き粒のせいで食べられないなんて!」
もしもレーズン以外のものでバターサンド菓子が作れたら。切実な願いを叶えるべく、製造は平野さんが「天才パティシエ」と絶賛する代々木八幡〈パス〉の後藤裕一さんに依頼。さらに「お菓子づくりは包装まで」という考えの下、アートディレクターの田部井美奈さんがメンバーに加わった。ブランド名は〈(NO)RAISIN SANDWICH〉。定期的に、レーズンサンドイッチとレーズンを使わないバターサンドイッチ2種をセットで販売する予定だ。
「無類の食いしん坊である私の唯一の天敵がレーズン。バタークリームを香ばしいサブレで挟んだあの魅惑的なお菓子を、黒き憎き粒のせいで食べられないなんて!」
もしもレーズン以外のものでバターサンド菓子が作れたら。切実な願いを叶えるべく、製造は平野さんが「天才パティシエ」と絶賛する代々木八幡〈パス〉の後藤裕一さんに依頼。さらに「お菓子づくりは包装まで」という考えの下、アートディレクターの田部井美奈さんがメンバーに加わった。ブランド名は〈(NO)RAISIN SANDWICH〉。定期的に、レーズンサンドイッチとレーズンを使わないバターサンドイッチ2種をセットで販売する予定だ。
後藤さんは「お菓子というより“デザート”のフレッシュさ、複雑さを追求した」と話す。「ドライフルーツは、通常、洋酒または洋酒とシロップで漬けるのですが、今回は酒とビネガーを使っています。洋酒の風味を前面に出さず、甘さをほどよく切りながら、ジューシーに仕上げました」
味の奥行きは求めても、素朴で懐かしい「レーズンサンド」の枠をはみ出さないことも重要だという。「ならばパッケージもパキッとしたものより、少し隙のある感じがいいかな」と、田部井さん。レーズンサンドモチーフのグラフィックをプリントした円形の掛け紙は、そんな想いから生まれた。ステッカーやリボンはフレーバーに合わせて変えていくのだそうだ。
このサンド菓子、考えたら無限のフォーマットで。季節やオケージョンでフレーバーは更新していく予定です。いつか色んな味が一堂に会する日を夢みてます(笑)。
味の奥行きは求めても、素朴で懐かしい「レーズンサンド」の枠をはみ出さないことも重要だという。「ならばパッケージもパキッとしたものより、少し隙のある感じがいいかな」と、田部井さん。レーズンサンドモチーフのグラフィックをプリントした円形の掛け紙は、そんな想いから生まれた。ステッカーやリボンはフレーバーに合わせて変えていくのだそうだ。
このサンド菓子、考えたら無限のフォーマットで。季節やオケージョンでフレーバーは更新していく予定です。いつか色んな味が一堂に会する日を夢みてます(笑)。
(ノー)レーズンサンドイッチ
平野紗季子、後藤裕一、田部井美奈によるお菓子プロジェクト。2種のバターサンドクッキーを限定数発売予定。詳細はインスタグラム@noraisinsandwichでチェックを。第一弾は5月末発売予定。
田部井美奈 たべいみな 1977年生まれ。アートディレクター、グラフィックデザイナー。〈田部井美奈デザイン〉代表。広告、書籍などの分野で活躍。クリエイティブユニット〈kvina〉にも参加。
平野紗季子 ひらのさきこ 1991年生まれ。フードエッセイスト。雑誌やウェブサイトに寄稿しながら、講演やイベントのプロデュースなども手がける。『Hanako』『SPUR』ほか連載も多数。
後藤裕一 ごとうゆういち 1980年生まれ。パティシエ。フランスの3ツ星〈トロワグロ〉でシェフパティシエを務め帰国。2015年、料理人仲間と〈PATH〉を立ち上げる。近く自身の工房も開設予定。